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企画・記念
4
「本当に優羽は可愛いな。今日は寝かせないからね」
囁かれた言葉に顔がほてる。因みに、先輩がタチだから。つまり俺がネコね。
先輩綺麗だし、ネコに見られがちなんだけど、今はまだ猫かぶってる状態なんだ。
本当の先輩は俺溺愛だし口調男前だし、一人称は俺だし、俺の幼馴染み曰くヤンデレらしい。よくわかんないけど。
「優羽?どうかした?」
先輩が問う。
「ううん。何でもないよ」
俺は先輩だけに微笑みかける。
先輩は満足そうに俺の額にキスをする。
「あ、言い忘れてたけど、この茶番劇もうすぐ終わるよ」
先輩が俺に告げる。
「本当?」
「うん、ほら」
先輩が指差す方向には高そうなスーツに身を包んだ美形。この学校の理事長だ。
その後は凄かった。
理事長に諭された生徒会が目を覚まし、転校生は退学を言い渡された。
親衛隊の下っ端たちは先輩と幹部たちによって、泣きながら俺に土下座。
その後は転校生がくる前の平穏な日々に戻った。
ただ違うのは、何かと色々な生徒から声を掛けられることが多くなり、親衛隊員からはお菓子を貰うようになった。あと、先輩の機嫌もあまり良くない。
「優羽はモテすぎ。絶対あの時笑ったからだ」
先輩の言葉に苦笑するしかない。
「俺が好きなのは先輩だけですよ?」
「当たり前。優羽が俺以外を好きになったら、優羽殺して俺も死ぬよ。そうすればずっと一緒だしな」
先輩の内容はかなり危ないはずなのに、それを嬉しいと感じる俺はおかしいんだろうか。
「愛してる、優羽」
「うん。俺も好きだよ」
俺がそう返すと、先輩が唇にキスを落とす。
これからはずっと喜劇だね。


THE END

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あきゅろす。
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