企画・記念 7 解散の旨を知らされた涙は鈴を探し回った。そして、屋上に倒れている鈴を見つけた時、鈴が死んでしまったのではという恐怖を感じた。 部屋のベットに寝かせた鈴の顔色は目に見えて悪かった。 涙は鈴の髪をすき、しばらくすると部屋を後にし、親衛隊室まで来た。 隊員は皆心配そうに涙を見る。 「隊長は、大丈夫なんですか?」 ひとりが問いかける。 「まだ分からない。今は眠っている」 涙はそう答えた。 「これから、どうすればいいんでしょうか?」 また、問いが投げかけられた。 涙は重い口をあける。 「…きっと学園の均衡は、僕たちがいなくなることでいっきに崩壊する。他の親衛隊を抑えるものがいなくなるのだから。だから、まずは守れ。今までだってできたことだ、これからだって変わらない。枷のなくなった今、正義なんてこの学園にはもう、存在しない」 涙の言葉に全員が決意を持って頷く。 「…解散になっても僕らの心は変わらない。皆で支え合えば怖いものなんてないから」 涙はそう告げた。 その言葉は、全員の胸に深く刻まれた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |