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企画・記念
1
 ミヤビにとって本は生まれたときから傍にあるものだった。
 小説家の父と図書館司書の母。
 ふたりとも凄い読書家で特に父は小説のための資料として不特定多数のジャンルの本を持っていた。
 物心が着く頃には、ミヤビは自他共に認める読書家、否、本中毒者となっていた。
 それは、こちらに来ても変わることはなかった。


「ミヤビ、今日は城下の図書館に行ってみないか?」
「いいんですか!」
 ミヤビは、読んできた本から顔を上げ、目を輝かせる。
「あそこには城の書庫よりも多くの本を所蔵しているからミヤビもきっと楽しめると思うよ」
「ありがとう、ヴィクトール様。すっごく楽しみ」
 ミヤビは嬉しそうにはしゃぎだす。
 その姿は幼い子供のようだった。
 だが、何故か急に足から力が抜けバランスを崩す。
 ミヤビの体をヴィクトールが支える。
「あれ?どうしたんだろう?」
 ミヤビは不思議そうに首を傾げる。
「大丈夫か?」
「はい」
 そう答えながらも首をひねる。
「ああ、そうだ。行くときはこれを必ずつけてくれ」
 そう言って渡されたのはトップに青い石が埋め込まれたチョーカーだった。
「これがミヤビの身を保障してくれる。絶対に失くさないように」
「はい、わかりました」
 ミヤビは早速それを着けた。
「よく似合ってる」
 ヴィクトールに褒められて、ミヤビは嬉しそうに微笑んだ。
 ヴィクトールもそんなミヤビに微笑み返す。
「じゃあ、準備が出来次第行こうか」
「はい!」

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あきゅろす。
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