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企画・記念
1
Side芳

「明日、予定空けておけ」
 実家に戻ってまだ日も浅い日、急に紫苑様にそう言われた。
「えっ…はい、わかりました」
 頷くと紫苑様は満足そうに笑った。
 でも…明日なにがあるんだろう?


 母屋に行くと、久しぶりに兄さんと逢えた。
 いつも仕事で兄さんが早い時間に家にいることって少ないんだよね。
「おかえりなさい。今日は早かったんですね」
「ただいま。明日はクリスマスだからと半休くれたんだ」
 そう言われてやっと明日がクリスマスだったことに気づいた。
 だって、毎年この時期はパーティーだ何だと忙しくて、正直実家でもクリスマスなんてないも同然だったし。だからなのか、この時期はあまりいい思い出もないしね。
 もしかしたら、クリスマスだから誘ってくださったのかな?
「…芳は今年、紫苑様と過ごすのか?」
「たぶん」
 曖昧に答えてしまうのは仕方がない。
 だって、直接そう誘われた訳じゃないから。
 あまり期待するのも良くないってわかってるし。
 あ、でもプレゼント位用意してもいいよね。と言うか、用意しないとだよね。
「兄さん」
「いいよ」
 …まだ、なにも言ってないんだけど…。
「紫苑様のプレゼント買いに行きたいんだろ?今から車出してあげるよ」
「ありがとう」
「じゃあ、表で待ってて。すぐにまわすから」
「うん」
 良かった。
 紫苑様へのプレセント、何にしようかな。


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