[携帯モード] [URL送信]

企画・記念
5
 会場の中はとても華やかで、立食形式の食事が用意され、講堂の真ん中には大きなクリスマスツリーが飾られていました。
『さあ、これからクリスマスパーティーを始めるよ。皆、ツリーの周りに集まってね―』
 マイク越しに指示が出され、集まっていた生徒たちがそちらに向かう。
 勿論僕もそこに向かった。
『今日は、生徒会主催のパーティーに集まってくれてありがとうー。沢山食べて飲んで、楽しんで言ってね。毎年恒例のあのイベントも用意してるから〜』
 そう言われた瞬間、会場中から歓声が上がった。
 僕には何のことか分からないんだけど…。
『じゃあ、またアナウンスするまで皆自由にすごしてねー』
 その一言と共に、クリスマスらしいメロディーが会場に響きだした。
 皆それぞれが好きなように過ごしだした。
 

 開始から1時間ほど経った頃、再びツリーの周りに集められた。
『じゃあ、毎年恒例ダンスタイムを始めるよ〜。これから少しの間時間を上げるから踊りだい人に申し込んでね〜』
 そんな軽いノリでいいのかな?
 このダンスを申し込む行為は、ある意味告白と同じ扱いだ。
 そして、ここでペアになった人たちはたとえ片方が親衛対象だとしてもその相手に制裁はできないことになっている。
 そう親衛隊規則で決まっている。
 だから、これが年に一度許された正式な告白の場となっています。
 そんな状況からそもそも参加するつもりのない人や、恋人のいる人はそっと壁際に寄っている。これが暗黙の了解です。
 僕も、そのひとり。
 それに僕はあまりダンスは得意じゃないんです。
「二葉」
 不意に名前を呼ばれて僕はそちらを見ます。
 そこには、ずっと会いたかった愛しい人が立っていました。
 先輩は軍服のような形の城の衣装を着ていて、まるで王子様見たいです。
 でも、なにかじっくり見られているような気がします。
「あの…変ですよね、僕見たいのがこんなドレス着て…」
「…すごく綺麗で言葉が出なかった。…本当に、よく似合っている」
 段々と顔に熱が集まっていくのを感じる。
「あの…先輩もとてもかっこいいです」
「ありがとう、二葉。お前に言って貰えるのが一番うれしい」
 帝先輩はそう言って笑いかけてくれました。


[*前へ][次へ#]

10/25ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!