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企画・記念
5
「じゃあ、そろそ「マキ!!」………」
 立ち上がり移動しようとした麻紀に誰かが勢いよく抱きつく。
「どこ行ってたんだよ!電話しても出ないし、メアドも変わってるし…あーでもマキが生きててよかった」
 目元に涙を溜め、制服を着崩した少年がマキを抱きしめながら見てくる。
「ユキ…」
 麻紀は驚きのあまり少年の名前を呼んでしまった。
「本当によかった」
 ユキは優しく麻紀を見つめる。麻紀は居たたまれなくなってしまった。
「おい、麻紀お前の後輩か?」
「えっと…」
 麻紀は説明できず苦笑を浮かべる。
 そんな麻紀の様子に邦明はそれ以上追及はしないがいぶかしんでいる。
「『あいつ』もお前のこと探してたんだ」
 麻紀はそれに首を傾げる。
(誰が、僕なんかを探すんだろう)
「これでやっとミカドも落ち着くよ。そうだ、これから一緒に逢いに行こう」
 名案だというようにユキが麻紀を引っ張る。
 だが、麻紀の表情は冴えない。それどころか真っ青だ。
「おい、麻紀、大丈夫か?」
 邦明が麻紀を心配そうに見つめる。
 ユキも麻紀の様子がおかしいことに気づいたのか手を離す。
「…大丈夫。何でもない」
「なんでもないって…すごい顔色悪いぞ。ここ出て少し休もう。…君も」
 邦明は麻紀を促し、そしてユキにも声を掛ける。


 近くの落ちつけるカフェに入り直し、麻紀はユキと向き合うように座った。
「少しは落ち着いたか?」
 邦明の声に小さく頷く。
「で、君と麻紀との関係は?」
「…チームの仲間だった。1年位前まで」
「チーム?」
「…所謂暴走族みたいなやつだよ」
 それに答えたのは麻紀だった。


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