小説(現代) 銀髪の不良 その日、隣町にひとりで出かけていた俺は、家路に着く頃にはすでに陽が落ちていた。 しかも、雨が降りだしている。 俺は、雨が嫌いだ。 この世で一番嫌いと言ってもいい。 忌々しげに雨が降る空を見上げるが、止む気配は全くない。 コンビニで傘を買い、駅へとと向かった。 電車から降りる頃には、雨はより強くなっていた。 早く家に帰りたくて、俺は近道しようと公園を横切ることにした。 公園の真ん中位まで来た時、雨の音にも負けない男の怒鳴り声が聞こえた。 いつもならここで引き返す俺だったが、なぜか足がそちらに向かって動き出した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |