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小説(現代)
4
 その時………
「りょう〜…」
 寝室の中から綺麗な少年が姿を現した。
 涼は舌打ちをする。
「…だれ?」
 少年は望を見て可愛く首を傾げた。
 そして、何かをひらめいたように言葉を口にする。
「わかった。涼がいつも話してる家政婦さんだ」
 少年はそう言って望を指差した。
 涼の方はバツの悪そうな顔をしている。
 望は、ただ、気にしていないかのように振る舞った。
 しかし、少年の言葉は望にはあまりに重たかった。
 なぜならそれは望自身が感じ、思っていたことだから。
 良く言って『家政婦』、悪く言えば『ただの便利な人間』。
 涼がそう言っていたなんて信じたくはないが、涼の様子から事実だということは察しがついた。
 それでも、望は張り付けた仮面をはがす訳にはいかなかった。
 それだけはできなかった。
「じゃあ、僕は帰るね」
 望はそう言って席を立つ。
 何か言いたそうに涼がこちらを向くが望はそれに気づかないふりをしてそのまま玄関のドアを開けて出ていった。
 外はパラパラと雨が降り出していた。



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あきゅろす。
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