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娘の彼氏がやって来た(秀軍+黒十希)


「失礼します。」

ここは美術室、オレの根城に珍しいヤツが来た


「どーしたんだクロサー?十希夫ならいねーぞ」

「いえ、軍司さんに用があって来たんです」

「オレの軍司に何の用だ?」

「げっ!ひ、秀吉さん…」

「「げっ」とは何だコノヤロー!オレがここにいちゃいけねーのか!」

「まー、まー、秀吉落ち着け。んで、どーしたよ?」

「あの〜、…」

秀吉も居るせいか黒澤はなかなか言い出してこない


「おいクロサー、オレと軍司の貴重な時間を無駄にする気か?用がねーんなら、とっとと出てけよ」

「ちょっと待ってやれって。大丈夫かクロサー?今日が無理なら、また別の日でもいいんだぞ?」

黒澤のあまりに深刻な表情を見て、ただ事じゃない気がして心配になってくる


「甘ぇーな、軍司は。なー、相談ならよそんトコ行けって!」

「おい!」

「うっせー!これ以上オレ達の邪魔する気なら、ただじゃおかねーぞ!」

「あの、オレ!」

イライラが頂点に達している狂犬に怯むことなく、黒澤がついに言葉を発した

「オレ、十希夫と付き合ってます!」

「!?」

いきなりの告白にオレも秀吉も体が固まる


「アイツにとって軍司さんがどんなにデカい存在か知ってます!すぐに報告しなくてすみません!!」

「その事なら十希夫から聞いたけど…」

「オレは本当にアイツが大事です!だから自分の口から伝えたくて…十希夫をオレに下さい!!」

普段クールな黒澤からは想像もつかないあまりに強烈な告白に、思わず身じろいでしまった


「十希夫がお前を選んだんだから、オレは何も口出ししねーよ。幸せにな…。」

「はい!!」


黒澤は満ち足りた表情で帰って行った


「わざわざオレのトコまで挨拶に来るなんてなー」

「アイツはああいう奴なんだよ」

秀吉がタバコを吸いながら応える

「ところで、娘をとられた心境は?」

「アホ。十希夫が幸せならそれでいーんだよ」

「ふーん」

「何だその目は!?オレは本当に…!」

「ハイハイ、今夜は赤飯だな〜」

「うぅ…。と、十希夫〜」

十希夫との思い出が走馬灯のように駆け巡り涙を堪えるのに必死だったが、秀吉はずっとオレの背中をさすってくれていた


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あきゅろす。
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