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ケーキバイキングでの戒
あの時私は一人でしがなく某デパートのバイキングコーナーでケーキを黙々と食べていました。そしたらいきなり耳五月蝿い音が聞こえて、あれは今思えば銃声だったのかもしれません。他の人達が慌しく逃げ惑っている最中、私はあまりの恐怖に立ちすくんでいました。そのとき轟々しい男の声が大声を出してこう言ったのです。
「全員そこに並べ!!」
と。私は小さい頭をフル活動して状況を整理しました。そして理解しました。
「今私は人質になっている」
よく見ると男達は全員、目だし帽に黒いパーカーなどを着用して強盗丸出しの格好をしていました。よくここまで来れたな、と言うほど強盗らしい格好をしていました。その中には女性も混ざっている、3人グループのようでした。私は数量の涙を流しながら強盗の指名した位置にすわりました。最後まで立ちすくんでいた私で最後だと思っていたのですが、またしても強盗は叫びました。
「おい!そこに居る奴もこっち来い!!」
私は正直吃驚しました。だって、その人は気配を消していたからです。しかし、それよりも皆が驚いた事は、我関せずといった御様子でトレイに大量のケーキを乗せながらテーブルの上にあるケーキを食べていたからだと思います。強盗が叫ぶと、その人は明らかに嫌な顔をしました。
「我に構ってないで、そこで何かしてたらどうだ」
人を見下す様な冷徹な声でその人はそういいました。その言葉が強盗の逆隣に触れたのか、強盗はさらに
大きい声で叫びました。
「舐めてんじゃねーぞー!!」
そして強盗の内の一人は手に持っていたマシンガンを手に取り、構えました。私はその人に、さようなら、と心の中で密かに言いました。しかし、その声は一つの冷徹な声にかき消されました。
「素人が・・・」
えっ・・・・。私は我が耳を疑いました。だって、もうすぐで殺される人があんな冷静な声が出せる訳ないですし。私が自分の耳を疑っている内にその人は物凄いスピードで走っていました。強盗の一人目掛けて。そのあとの事はたった一秒で片付けられました。まずその人は強盗目掛けて凄いスピードで走って男の後ろに回り、いきなり自分の足に無理やりストップを掛けてその反動で後ろに跳び、強盗の頭を中に浮きながら蹴り、転んだ強盗の腰に着地したのです。あまりの衝撃に強盗の一人は気絶してしまったようでした。私は、その人の一連の動作を息を呑みながら見ていました。だってあまりにも綺麗すぎて。後の二人も、その人の行動に呆気としていましたが、すぐに正気を取り戻してその人に銃口を向けました。しかし、バキッという五月蝿い音がして、その動きを止めました。だって私も驚きましたもの。二人の持っていた銃がほぼ同時に叩き壊されたのですから。二人の間にはまた新しい人。銀色の髪を立たせた体格のいい男の人が両方の手にバットを持って二人の間にいました。そしてその人は先ほど一人を倒した人を向いて笑っていました。
「おいおい毛利ー、オメエ何に巻き込まれてんだ?」
と。どうやらあの人は毛利と言うそうです。その言葉を聞いた毛利と言う人は、心底嫌な顔をしました。
「長曾我部には関係ない」
「・・・っていうかケーキ食べたか?これ俺の自腹なんだかな!」
「ちゃんと食べた。まだ足りないが」
「っそ」
強盗達の間で何を話しているのか、私には検討も付きません。自分達を無視して話をしているのに苛付いたのか強盗達はその人達に襲い掛かりました。しかしそれも虚しく二人は同時に顔面にパンチをされ倒れていきました。そして強盗を倒した二人は、話が終わったのか二人で帰っていきました。のこされた人は思ったことだと思います。
「強盗さん可哀想」

その後、この事はテレビで報道され、あの謎の二人組の名前が明らかになりました。
「長曾我部元親」と「毛利元就」というそうです。その人は事件の事もあるけれど、たぶんどちらも顔が超美形だからか、一時期すごい話題になりました。けれどテレビに出るときも毛利という人は毒舌を吐いて場内を静かにさせていました。

後日談的なノリで書きたかったんです。
けれど、失敗してしまいました。第三者目線で後日談な書き方・・・・・難しいです。

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あきゅろす。
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