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最後妄想
彼女はその場に崩れ落ちた
(なぜ?)
激しい叫び声が耳を突き抜ける
(いたいいたい)
喘ぐ声に釣られて腕が掴もうと動く
(助けて)
するりと虚空を掻く手の平が
(なんで)
とても冷たく感じた
(現実に戻された)
もう居ないあの人が
(もう居ないあいつ)
もう一回出てきてくれるなら
(生まれ変わって私の元に)
もう一生離さないのに
(一生傍にいてほしかった)

(ならばもう一回昔へ行こうか)

いきなり逆さになる世界
落ちる身体はもうこの世界には無い
昔へ戻ってきた

目を開けると傍に彼がいた
(なんだ夢だったんだ)
優しい瞳で見つめ返す顔は
まさしく貴方だわ
とても嬉しい
奇跡は凄いわ
それからの貴方との生活はまさに薔薇色
本当に昔と同じ
なにもかも

(それは気づいてはいけなかった)

本当にそうかしら
何か違うんじゃないかしら
このシーンは貴方の告白シーン
これは初同居一日目
ビデオに写したように
全てが同じだった

途端に全てが蘇ってきた
これは全て私の記憶
映し出されるだけの昔の記憶
私の中で生き続ける貴方なんて
もういらない
(見せられていたのは妄想)

(現実に戻された)

落ちる身体はもう誰も支えてくれない
結局私が残したのなんて
少しの水とただの紙切れ
(涙の水溜りと思い出の欠片)
本当要らない物ばっかり
(私しか価値が分からない物だけ)
あの人が居なくちゃ私の価値はない
ほら空気も私を嫌ってるみたい
(息が詰まるほど悲しくて)
無意識に掴もうとする右手が
(貴方の左手を探るように)
さぞかし滑稽に見えるでしょうね
(掴めなくて落ちる)

最後だけ 
最後だけでいいから
この手を支えて

(そして少女は一生の闇に)



詳しく説明すると、恋人を亡くした少女が飛び降りして死の間際に見る走馬灯を見ましたって話です。
タイトルが残念すぎてヤバイです・・・・・

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