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分かったんだね
猫は元からの野良猫でした
その猫には誰も寄せ付けない威厳がありました
猫も、誰もいらないと思っておりました

猫が夜道を歩いている所、緑の瓦の家から何かが飛び出してきました
猫は反射的にソレを捕りました
手に取ったぬくもりを確かめてみるとそれは
「青色の小鳥」
でした
猫はそのまま食ってしまおうと思いました
しかし、その手は気紛れに止まりました
青い鳥の伝説を思い出したのです
そして猫は気紛れにソレを飼う事にしました
ただ、意味もなく、気紛れに

猫と小鳥の生活が始まりました
小鳥はあの家から家出してきたのだと言いました
猫は適当に受け流しながら話を聞いていました
小鳥の足元を見つめながら一言
足が無いぞ
小鳥は一足でした
猫は思いました
幸せが半減してしまうではないじゃないか

小鳥の足はただ一本
猫の尻尾はただ一本
どちらも切られた痕アリ


ある日猫は紙を見ました
小鳥の似顔絵が描いてある紙を
猫は小鳥に言いました
もう心配はかけてやるな
猫は小鳥を家まで帰しました

猫はいつも一匹
母もなく父もなく
元から居ないものだと
一匹で思っていました
そんな事ありえないのに

ある日猫は道端を歩いていました
緑の瓦のあの家に青い何かが落ちていました
猫は足を止めました
ソレは、アノ青色の小鳥でした
もう羽も殆ど剥ぎ取られていたのに
猫は直感でそう思いました
猫は一瞬足を止めはしましたが、また歩きだしました
もう忘れているかのように
しかし、何か無くなりました

猫はいつも一匹
どこでも一匹
いつまでも一匹
一匹
出会いも心に残る仲間

猫はいつも出会う
どこでも出会う
いつまでも出会う
出会う
一匹では無かった
猫は気づいた
やっと_________。


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