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最後の出会いで別れ
ホームのアナウンスが耳障り
早く来ないかなぁ
暫く待ってスライドドアを潜り抜ける
夕暮れ時がとても綺麗でした
いつもよりちょっとだけ遅く乗る電車
いつも綺麗なあの日だけが
鮮明に思い出されるから

いつもより緊張しています
今日はいつもより疲れています
けれどけれどもあの子だけが
隣に座るあの子だけが
とても眼に映るのです
他の物なんて全部真っ白なんだけど
君だけが彩色されて座っていました
少しだけ聞こえる吐息が
寝息がとてもいとおしくて
子守り唄に聞こえて
思わず寝てしまいそう
次の駅が来たら
お別れです
君は僕なんて分からないけれど
最初で最後かもしれないけれど
けれども
とても幸せでした
初めて遇って
初めて別れて
一生逢えない
そんな君でした

余計な雑音だけが削除されて
君の嬉しそうに見つめる顔が
可笑しくて可愛くて
ああこれが初恋なんだって
初めて思いました
いつも駅のホームで
真剣に読書をしている君
そしていつも遅れる君
君よりも一つ早い電車で
私はいつも見てました
今日は君と一緒になりたくて
同じのに乗りました
恥ずかしくて寝たふりして
まんまに騙された君
思った以上に馬鹿なんだ
君はもう行ってしまうけれど
君は私の事なんて分からないけれど
最初で最後なのかもしれないけれど
けれども
私がまた逢いに行きます
初めて抱いて
初めて別れて
一生逢えない
なんて事したくありません

「「初めまして」」
初めまして
始めまして
「恋」が「愛」に
変わりまして
分かっていまして
これが最後の出会い
だなんて
別れなんて
来ない事なんて

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あきゅろす。
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