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一つは全てを壊すその時まで気づかない
消えたいって思った
もう嫌だって思った
けれどいつも僕のその行為を無駄にする人が居た
いつも寸での所で止める人が居た
僕の身体は僕の物だから勝手にさせてよ
その人がまるで足枷のようだ
いつも僕を止める時のあの顔が
鉛のように心に沈んで
とても苦しいよ

あの人が倒れた
もう何もしなくなった
止める事も
泣く事も
僕を抱きしめてくれる事も
心が楽になった
けれどその分何も無くなった
心にぽっかり穴が開いた

あの人の前で消える事にした
近くにあったナイフを片手に
首に当てた
そしたらあの人は
何もしてこなかった
変わりに声を出さずに泣いた
消える気が無くなった
けれどもう全てが壊れた気がした

あの人が消えた
いつも僕の事を止めてたあの人が
僕より早く消えた
足枷が取れた気がした
何も僕を抑える物が無くなった
自由になった
今度こそ消えようと思った
あの人の身体をけっぽって
そのまま飛んだ

気づくとそこはベットの上だった
目の前にお父さんが居た
僕を見ずに空を見ていた
足が浮いていた
瞳には何も映っていなかった
あの人の気持ちが初めて分かった気がした
けれど僕は声を出して泣いた
落ちる雫が冷たかった

もう何もしたくなかった
消える事も
泣く事も
あの人を思い出す事も
僕には心が無くなった
悲しいよ
お母さん
全てが終わった音がした


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あきゅろす。
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