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爆発!左腕

テストも終わって遊び時。学生にとって嬉しいことこの上ない時期。

・・・・というのに私は悩まされていた。




何と言うか、学校帰りに。

ついこの間、テストの結果が帰ってきた。私の点数は可もなく不可もなくという予想通りの結果と言えた。
そして不良コンビ二人の結果ははっきり言って聞きたくもなかったが帰り強制的に聞かされてしまった。





「見てみてなまえ」

と廊下でバーンとだされたのは神威さん、阿伏兎さんのテスト用紙。

「・・・えーと、感想としては阿伏兎さんは留年は大丈夫なんですか・・・?」

「そっち?そっちが先なの??」

とぶーぶー文句を言う神威さんを一旦無視して、

「私、全教科赤点とか初めてみましたよ」

「学校やめるかなァ、俺」

「ま、まあ次のテストで挽回するとか・・・」

「できると思うか?」

「・・・・」

不可能という文字が頭に浮かびあがって思わず口をつぐむ。


「ていうか無視しないでよなまえ。俺の点数について感想はないの?」

「そーですね・・・何と言うか先行きに不安を感じる点数です。」

「はあ?この点数でか?手厳しいな、おまえ」

と阿伏兎さんが言ってきたが私は別に神威さんの先行きに不安を感じている訳ではない。


つまり、

「まあどっちにしろ前回より良くなったんだからご飯、作ってくれるんだろ?」

これだ。
にこにこと微笑む神威さんだが私には悪魔にしか見えない。

思わず下を向く。

「そういやそんな話だったなァ」

「阿伏兎は駄目だよ?前回と変わりないだろ」

「ああそーですか、好きにしやがれ」

「うん、てことでなまえ。今日俺の家d「ああああの!」

「ん」

「じゅじゅ準備があるのでまた今度とゆーことで!!」

「・・・まあいいけど」







なんてやりとりがあったからには今更引くことができない。

・・・別に壊滅的に料理が下手なわけではない。でもあんまり作ったことはないし阿伏兎さんはいないし何より神威さんの家に行かねばならないというリスクがある。



とゆーことで一週間ほどなにかと理由を付けて一緒に帰っていない。

勘のいい神威さんのことも合わせてそろそろ私も理由をつけることが不可能になってきた。




「なまえ、今日こそご飯作ってよ」

「・・・」

毎度のごとくこの台詞をなんと言って乗り切ろう。


「あ、あのですね見たいドラマの再放送が・・・」

「俺の家で見れば?」

「あー、と。実は私左腕がば」

「ば?」

「ば・・ば・・・・ば爆発して!」

「爆発したんだ大丈夫なの?っはは、ていうかありえないから」

「ですよね・・・」


神威さんがお腹抱えて笑ってる。いやー楽しそう・・・
しかしなんつー嘘のつきかただ私、せめて骨折だろそこは

どーやら作りに行くしかないようです。





!

(「なまえはもう少し考えてから嘘ついたほうがいいよ、っく」)

(「そーですねてかどんだけ笑ってるの神威さん」)


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あきゅろす。
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