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夢か幻か

『……失礼します…』



僕は、戸惑いながらも学長室のドアをノックした。



『どうぞ…』



中から声がして、僕は重たいドアを開けた。



『うちの学園はどぅ?たのしんでる?』



『………おかげ様で…』



学長はソファーに座っていた。



脚を組み背もたれに寄りかかりコーヒーを飲んでいた。



コーヒーを置くと、僕にも座る様に手を差した。



僕は、言われるままにソファーに腰掛けた。



『……親しい友人と再会したんだって?』



『あ、はぃ…』



『いつの友達なんだ?』



『……小さい頃ですよ。僕が育った街で逢いました。』



『じゃあ、あのことは知らないんだね?』



『……はい。』



『ふーん。じゃ、キミも彼には知られたくない……だろ?』



『……えぇ…』



だから俺に従えよ?



そぅいいたいんでしょ?



……一体この人は僕にナニを望むんだろう。



従えって事はやっぱ……身体なのかな……?



弱味を握って、僕を玩具にするのかな?アイツラみたいに……



『………』



僕は黙っていた。ナニを言われるかわからないし、不安がまた大きくなっていた。



『………そんな怖い顔しないでよ?』



そういうと、学長は僕の後ろに回り込み、僕を抱き締めた。



『…俺はキミの味方だって言っただろ?…』



『……!?』



学長はボソッと小さい声で言った。



『……やっぱりキミは俺を知らない?…』



『…………?』



全く知らないよ。



顔も名前も知らなかった。今日が初対面。
そして印象は最悪。



『……そっか……』



何故か学長が切なそうな顔をした様にみえた。



『……』



なんか気まずい雰囲気になっていた。



僕は、学長と何処かで逢ってるのかな?



でも、僕の記憶には全く学長の記憶がない。



僕を抱き締める力が弱まった。



解放されるかと思ったが、学長の唇が僕の耳に触れるか触れないかの距離で囁かれた。



『……とりあえず、俺に従うんだよな?』



僕はソノ言葉にゾッとした。



『……ぅん…っ……』



そのまま会長は僕の耳から首筋に舌を這わせた。



『…っっ…んっ……』



僕の気持ちとは裏腹に、身体は敏感に反応していた。







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