[携帯モード] [URL送信]

夢か幻か

楽しいランチタイムが終わり、僕と伸ちゃんは教室に戻った。



教室には人が少なかった。



『午後授業…どうする?雫。雫は今日は帰るの?』



『え、授業はないの…?』



『各学年、BEST30と委員会は午後授業は免除なんだよ。帰ってもいいし、何しててもいいんだよ。』



『え、でも僕転入したばかりだし、入ってないでしょ?』



『……お前…一応このクラスは特進クラスで、学年のトップ30しかいないクラスなんだけど?』



『え!?そうなんだ…知らなかったょ。』



『雫は編入試験も完璧だったんだろ?』



『あ、ぅん。まぐれだろうけどね。』



『まぐれでも、このクラスに来たって事は、この学園で、BEST30以内にはいるって事なんだよ。』



『僕、全然勉強とか好きじゃないし、ラッキーかも』



『でも、テストでAとBは入れ替わりはあるからな…気は抜けないってやつだよ。』



『なるほどね…』



この学園は、頭のいい人・委員会…つまりお金持ってる人にはかなり融通のきく学園のようだ。



十六夜が終わった頃に来るって言ってが、クラスもわからなかった時間だし、多分午後終わってからだろうと思っていた。



『多分、迎えが午後終わってからだと思うからさ、僕は残るよ。』



『そうか…じゃ俺も付き合うかなっ!』



『あ、でも、用事あるなら無理しなくてもいいよ?』



『水臭いこと言うなよ!親友との再会だろ?』



そういうと、伸ちゃんは僕の頭をくしゃくしゃとなでた。



『…あ、ありがとう…』



なんか僕は、照れてしまって、ちょっと照れくさそうに笑った。



『……うん……やっぱ雫は可愛いな……』



伸ちゃんも、ちょっと照れくさそうに笑いながらそういった。



『じゃあさ、時間たくさんあるし、屋上にでも行って話さない?』



『屋上!?いいね!……やっぱ屋上もゴージャスだよね?』



『それは見てからのお楽しみだよ!』



『むぅ…じや、楽しみにしとくね…』



『じゃ行こうぜ!!』



そういうと伸ちゃんは立ち上がって僕の手を引いた。



伸ちゃんの手は昔と変わらず温かくて、気持ち良かった。



伸ちゃんがドアを開けると、神谷恵がそこにいた。



『……学長がお呼びだ。』



そう言われた僕は、忘れかけていた朝のやりとりを思い出していた。

[*前へ]

6/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!