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夢か幻か

ご飯を食べながらいろいろな話をした。



大半は、一緒に過ごした当時の事だった。



やはり、伸ちゃんにも転入理由を聞かれたが、『家庭の事情ってやつで』と、本当の理由は言わなかった。



伸ちゃんも、『そっか〜ま、また逢えたしなっ』と、深くは追求してこなかった。



『それにしても雫は、本当可愛くなったよな〜』



『伸ちゃん〜僕も、男なんだから、可愛いってあんまり嬉しくないんだけど〜』



『そっか〜そうだよな〜。でも、可愛いもんは可愛いんだから、仕方ないよ!』



『伸ちゃんは、むちゃくちゃ男らしくなったよね?』



『だろ?俺は惚れたヤツは守れる男になりたいから、体鍛えてんだよ!』



『カッコいいね〜彼女が羨ましいや。』



『ま、今は彼女はいないけどな。』



『そうなんだぁ〜。でも、好きな子はいるの?』



『………まぁ…な…』



そういうと、伸ちゃんはちょっと黙ってしまった。



なんか僕マズイ事聞いちゃったかな?



『………雫は、今付き合ってる奴とかいるのか?』



『僕?いないよ〜!』



『そうか…いないのか……………かな?』



『え、なに?』



語尾の方が聞き取れなかった僕は聞き返した。



『あ、なんでもないよ。なんでもない!』



『気になるなぁ〜』



『まぁ、そんな事より、雫気をつけろよ?』



『……え?なにを?』



伸ちゃんは、いきなり話を変えた。



しかも急にちょっと真面目な顔になっていた。



『雫は可愛いから、いろいろ狙われるハズだから、知らない奴にはついていくなよ?』



『……?どういうこと?』



『………えっ?あ、いや………そ、そぅ!勧誘とか凄いと思うからさ!』



『えぇ何の?』



『とりあえず、特に委員会の人達には気をつけろよ。』



『…ん〜わかった。ありがとう伸ちゃん!』



よくわからないけど、伸ちゃんが言うなら、気をつけなきゃなと僕は思った。



そんな話をしているうちに、ご飯もすっかり食べおわっていた。



お皿を片付けにきたボーイが、紅茶を持って来てくれた。



やはり、その紅茶も今まで僕が飲んだ紅茶より格段に香りもよく、美味しかった。



とても和やかなお昼休みに僕は、幸せだった。





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