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夢か幻か

『いつまで待たせるんだよ?早くいくぞ?』



神谷恵はちょっとイラついていた。



『あ、すみません…ちょっと学長さんと話を…』



『……まぁ、いい。』



そういうと、神谷恵は歩きだした。



……



やはり沈黙の時間。



もし、神谷恵が少しでも話してくれたなら、僕はどんなに気分が楽だっただろうか。



学長は僕の過去を知っている…ナゼかはわからないが知っている…



あの時の話は、陽ちゃんが綺麗に片付けくれたはずなのに…



まさか、目撃者がいたのか??



僕の頭は今、何故学長が知っているのかでいっぱいだった。



『従え』っていう事は脅し??



僕はまたびくびくしながら生きていかなきゃいけないのか……



せっかく今日から新しい自分になれると、ワクワクしていた僕は、



たった30分足らずで、一気に地獄に落とされた気分だった。



『……ぉい。着いたぞ?』



『……あ、ありがとうございました。』



『……お前……大丈夫か?』



『…えっ?何がですか?』



僕は、僕の頭の中の考えをしまい込み、笑顔で答えた。



『……何がって…気付いてないのか?』



………??



僕そんな険しい顔してたかな?もう一度笑顔で言った。



『大丈夫ですょ♪何言ってるんですかっ!』



『………』



『………?』





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