夢か幻か
8
『いつまで待たせるんだよ?早くいくぞ?』
神谷恵はちょっとイラついていた。
『あ、すみません…ちょっと学長さんと話を…』
『……まぁ、いい。』
そういうと、神谷恵は歩きだした。
……
やはり沈黙の時間。
もし、神谷恵が少しでも話してくれたなら、僕はどんなに気分が楽だっただろうか。
学長は僕の過去を知っている…ナゼかはわからないが知っている…
あの時の話は、陽ちゃんが綺麗に片付けくれたはずなのに…
まさか、目撃者がいたのか??
僕の頭は今、何故学長が知っているのかでいっぱいだった。
『従え』っていう事は脅し??
僕はまたびくびくしながら生きていかなきゃいけないのか……
せっかく今日から新しい自分になれると、ワクワクしていた僕は、
たった30分足らずで、一気に地獄に落とされた気分だった。
『……ぉい。着いたぞ?』
『……あ、ありがとうございました。』
『……お前……大丈夫か?』
『…えっ?何がですか?』
僕は、僕の頭の中の考えをしまい込み、笑顔で答えた。
『……何がって…気付いてないのか?』
………??
僕そんな険しい顔してたかな?もう一度笑顔で言った。
『大丈夫ですょ♪何言ってるんですかっ!』
『………』
『………?』
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