夢か幻か
5
『……あまり手を焼かすなよ?』
本当この人無愛想だなぁと僕は思った。
こんな時期に転入する僕を、気遣ってくれてなのか、監視するためなのか…
どちらにしても、僕は神谷恵が苦手そうなので、おとなしくする事を決意した。
『いろいろとありがとうございます、学長。神谷くんこれからお世話になります。よろしくね?』
僕は少し優等生ぶって改めて挨拶をした。
学長、北條仁時は笑顔でうなずいた。神谷恵は相変わらず無表情だった。
『じゃあ、恵。職員室まで連れてってあげてね?そしたら、担任に一ノ宮雫くん任せて、俺んとこに戻ってね。』
『…かしこまりました。でわ、失礼します。』
そういうと、神谷恵は一礼をして学長室を出ていった。
『僕も失礼します。』
そう言って神谷恵の後を着いていこうとした僕の手を、学長の北條仁時は掴んだ。
『……そうそう。あんまりこの学園でやんちゃしないでね?俺面倒臭いの嫌いだからさ…?』
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