いや、どちらさまですか?
『ありがとうございました。』
「ありがとうございました。」
カランカラーン
やっと長い、お手伝いの時間が終わった。
結構今日は人が来て大変だった。
でも、伊達に毎日通ってるわけじゃないから、結構うまくやれたと自分は思う!!
「男性のお客さんと喧嘩にならなかったら百点満天だったのにね。」
『…ごめんなさい。』
尾崎と喧嘩したのが駄目だった…。
だってあいつ、愛理さんのコーヒーのがいいとかいいやがった!!いや、まあ同意見ですがね!!私、コーヒー淹れたの初めてですから!!どや!
『あー…疲れた。』
「お疲れ様。」
『良ちゃんはいつもこんなハードなことやってるのー?』
「まあね…でも、もう慣れたかな。」
『そっかー…。』
ぐてーっと、椅子に座って机に倒れこむような体制になる。腰がのびて気持ちいい。そんな姿を良ちゃんは見て、クスっと笑った。
『あ、笑った。』
「ごめんごめん!」
『いいけどー…。』
「そういえば、なまえはなんで姉さんが好きなの?」
『ん… それは…、』
ガシャン
『!?』
急に聞こえた音にびっくりして、振り返ると、良ちゃんがうずくまってる。その額には汗がにじんでいる。すごく苦しそうだ。
『良ちゃん!!?大丈夫!?」
「ぁ…、だ、め…!」
『え?なに?』
「だめ、だよ…みんな…!」
『みんな?』
みんなって誰?
いきなりぶつぶつ言い出した良ちゃん。え、なにこれ、大丈夫なの?良ちゃん死ぬの?ちょ、ええ!!?
「う゛…あっ!」
『死ぬなああああああああああ!!」
「死ぬかよおおおおおおおおおお!!」
…え?
『え、と?』
「んだよ!」
『え、え、え、良ちゃん?』
「…そうです、良ちゃんです!!」
『ちがあああああああああう!!」
「違くねぇ!!」
なに?どうしたの?
良ちゃんはこんな乱暴な喋り方じゃないし、自分のことを「良ちゃん」なんていわない!!誰!?でも、見た目は良ちゃん…って、目が赤い?髪が逆立ってる…しかも赤のメッシュ。
明らか別人。
絶対に別人。
目の前にいる人物は「良ちゃん」だけど、なんか違う。髪も目もだけど、なにより雰囲気が違う。まったくの別人。
『あの…どちらさまですか?』
「…ッチ。」
いや、どちらさまですか?
((舌打ちしたな?おい、こら?))
(してねーよ!!)
((いや、しただろ、殺す。))
(あ゛…いってえええ!!)
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うほw
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