土曜日。
まさか名前が来るとは思わなかった。野上とイマジンをおっていて、やっと見つけたからカードをとろうとした時。
「っ、なんで…。」
名前が笑顔で歩いてきた。
でもそんな名前の笑顔は一瞬で消えた。
「っ、変身!!」
混乱するその場で、ただ1つ確実なのは、
俺が名前を巻き込んでしまった。
『…。』
目をあけるとそこは、知らないところだった。カタンカタンと揺れているから…電車?
「起きたか…。」
『ゆ、うと…?』
隣には侑斗がいた。
「昨日から寝っぱなしだったから心配した。大丈夫か?」
『うん…。』
微かに痛む背中が、昨日の怪物が夢ではなかったことをつげる。
「巻き込んでごめん…。」
『ううん、私は大丈夫。』
「実は、俺…。」
苦しそうに歪む、侑斗の顔。
『うん。』
私は全てを受け入れよう。
侑斗は全部話してくれた。
イマジンのことや、侑斗のこと。
このゼロライナーのことも…。
『話してくれて、ありがとう。』
正直、私にはかなり現実味のない話。
でも本当なのだろう。
「だから…、お前の記憶からもそのうち消える。」
『…うん。』
「っ、でも!!俺は…忘れない、から。」
『…うん。』
目に涙がたまる。
私は言えない、「忘れないよ」って。
だって仕方ないことだから。
「好きだ。」
『ゎ、たしも…好き。』
ぐいっ
腕を引っ張られたと思ったら、
私は侑斗の胸の中。
「未来が、守られたとき…きっと、」
『う、ん…。』
頬をつたう涙は、
まったく意味がないと知っていても、
流れ続ける。
『また、きっと…。』
誓った土曜日。
(貴方を愛そう…。)
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