木曜日。
ざーざーと雨が降るなか、私は不機嫌だった。理由はただ、雨が嫌いだからなんだけども。
なんか雨が降ってる日は無性にイライラする。
『あーむかつく。』
それに天気予報の馬鹿。
今日は雨降らないって言ったのに、ざーざー降りじゃん。その間違った予防のせいで傘なんか持ってきてないよ。
まあ一番は急に降りだした雨が悪い。
しかたなく、駅で雨宿りしなきゃいけなくなるし。誰かに迎えに来てもらいたいけど、こんなときにかぎって充電きれるんだもん。
私って運悪いのかなぁ。
あ…、
なんか寒い。 気温下がってきたし。
『うー…。』
冷たい手に息を吹き掛ける。
でも暖かいのは一瞬で、すぐにその温もりはなくなってしまう。なんだか悲しいな。
『はー。』
もう一回。
あ、息が白くなった。
もう春になると言うのに、相変わらず寒い。早く来ないかな、春。
『そんなことより早く止んでよ。』
いまだにざーざー降りの空に向かって、
ぽつりとつぶやく。
でも雨の音にかき消される。
昔、雨が降っていて学校から帰れなかったときがあった。でもお母さんはなかなか来なくて泣いてしまったときがあった
雨の日は、
嫌なことや不安なことを考えてしまって、すごく嫌になる。
だから雨が嫌い。
『ゆうと…。』
小さくつぶやく。
「おい、」
『ゆ、侑斗!?』
急に目の前に侑斗の顔。
ビックリしていると、侑斗は傘を差し出して、
「名前を見かけたから。…おくる。」
ぐいっ
私の腕を引っ張り、前を歩く侑斗。
そんな侑斗の背中に、
『ありがとう。』
不安な木曜日。
(そういえば昨日の侑隼って…、)
(あ、あれは何でもない!!)
(え、でも)
(いいから忘れろ!!)
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