[携帯モード] [URL送信]
木曜日。


ざーざーと雨が降るなか、私は不機嫌だった。理由はただ、雨が嫌いだからなんだけども。

なんか雨が降ってる日は無性にイライラする。


『あーむかつく。』


それに天気予報の馬鹿。
今日は雨降らないって言ったのに、ざーざー降りじゃん。その間違った予防のせいで傘なんか持ってきてないよ。


まあ一番は急に降りだした雨が悪い。


しかたなく、駅で雨宿りしなきゃいけなくなるし。誰かに迎えに来てもらいたいけど、こんなときにかぎって充電きれるんだもん。


私って運悪いのかなぁ。


あ…、
なんか寒い。 気温下がってきたし。


『うー…。』


冷たい手に息を吹き掛ける。
でも暖かいのは一瞬で、すぐにその温もりはなくなってしまう。なんだか悲しいな。


『はー。』


もう一回。
あ、息が白くなった。

もう春になると言うのに、相変わらず寒い。早く来ないかな、春。



『そんなことより早く止んでよ。』


いまだにざーざー降りの空に向かって、
ぽつりとつぶやく。
でも雨の音にかき消される。





昔、雨が降っていて学校から帰れなかったときがあった。でもお母さんはなかなか来なくて泣いてしまったときがあった

雨の日は、
嫌なことや不安なことを考えてしまって、すごく嫌になる。


だから雨が嫌い。




『ゆうと…。』


小さくつぶやく。



「おい、」

『ゆ、侑斗!?』


急に目の前に侑斗の顔。
ビックリしていると、侑斗は傘を差し出して、



「名前を見かけたから。…おくる。」



ぐいっ


私の腕を引っ張り、前を歩く侑斗。
そんな侑斗の背中に、




『ありがとう。』











不安な木曜日。
(そういえば昨日の侑隼って…、)
(あ、あれは何でもない!!)
(え、でも)
(いいから忘れろ!!)





======

相合い傘とかいいよね←




[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!