かなわない(*) 良 いくら、ボクが君を好きでも、かなうはずがない。 君はボクの敵で、 ボクは君の敵。 君はなんであんなヤツと一緒にいるの。 ボクのほうが、君を幸せにできるよ。 ボクのほうが、君を守れるよ。 だから、だから…、 「ボクと一緒にきて…、」 『…私たちは敵だよ?』 いつもと同じ、綺麗な笑顔でいう。 ドキっとした胸を抑えるように手を握り締める。 「なんで…あんなヤツと、一緒にいるの?」 『…、私にとってカイが正義だから。』 正義? 時間をこわそうとしているのに? なのに、なのに、 そんなヤツが正義? なんで、なんで、 『私にとって、貴方は悪だよ。』 なんで、そんな悲しい顔でいうの。 「ボクは…君が好きだよ…、」 『私はカイが好き。』 いつもとは違う、真剣な顔でいう君。 ああ、やっぱり駄目か…。 かなわない (そしてボクは、) (君の好きなカイを倒した。) ====== 「君は俺を正義と言った」につながってたりする。 [*前へ][次へ#] |