本当は好きだった。 金 「好き」なんて、短いから簡単に言えると思ってたけど、実際に言おうとすると、なかなか言葉が出てこないもんだ。 『はあ…。』 「どうしたんや?」 『キンちゃん…。』 あんたが原因だよっていえたらどんなに楽か…。 いえないけどね〜。 『なんでもないよ。』 「悩みがあるなら相談してみ!」 無理に決まってんだろ。 「私、キンちゃんに告白できなくて困ってる」とか 本人にいえるわけない。 『いや、大丈夫だから!』 「そうか?」 『うん!大丈夫!』 でもやっぱ誰かに相談したいなぁ。 キンちゃん以外で。 モモは、 あんなヤツに恋愛がわかるわけがないよな。 リュウタは、 恋愛?なにそれ!って感じだからなぁ。 やっぱり、ここは!!! 『良太郎!!』 「ちょ、ボクはー!!?」 『あ、亀。』 「今の流れ的にボクでしょ!!」 『むしろ流れろ。』 「なんで!?」 この亀うざいし、くねくねしてるから嫌いなんだよね。かかわりたくないタイプだしさ。 「恋愛相談なら良太郎よりボクのほうが得意だよ!」 『…。』 確かに、 良太郎よりは頼りになるかもしれないな…。 『じゃあ、よろしく。』 「うん。」 『で、さっそくだけど…、』 振り返って、ダレもいないことを確認してから、また亀のほうをみたらニヤニヤしていた。 『な、なに?』 「いいや?なんでもないよ。」 『そう?』 「ねえ、名前。」 『なに…きゃ!!!?』 え、え、え、なに!? ちょ、え?私抱きしめられてる? ちょ、ちょ、ちょ、 えええええええええええええええ!? 『なにしてんの!?』 「しー…、静かに…。」 無理にきまってんだろおおおおおお!! この馬鹿亀変態野郎!!! って、腰に手まわすなあああああああ!! 「もうそろそろ、かな…。」 『え、』 ガタァーン 『き、ん…ちゃ、』 「なにしてんねん!亀の字!!」 「えー?べつになんにもしてないよ?」 キンちゃんは、小さく舌打ちしたあと、 ぐいっ 『うえ!?』 キンちゃんに腕をつかまれて、そのままキンちゃんの胸の中。 「名前!!こんなヤツなんかやめて俺にしとき!!」 『え、え、』 本当は好きだった。 (好きや!!) (えええええ!?) ((本当に騙されやすいなぁ…。)) ======== ウラをいじめたい← [*前へ][次へ#] |