拍手小説 2011/6 6/5 お題:イヤホン 「黒崎。何してんだ?」 「音楽聴いてんだよ」 「音楽?それでか?」 「あぁ。聴いてみるか?」 こくんと頷く冬獅郎。 俺は手招きすると、隣に座った冬獅郎の耳に、イヤホンの片方を当ててやった。 「うわ……本当に聴こえる……」 「疑ってたのかよ?」 勢い良く横を見ると、思ったよりも近い位置に冬獅郎の顔。 「そういうんじゃねぇよ」 苦笑気味なその表情が本当に至近距離で……。 お前の隣で同じ曲を聴いて……。 この表情は、今は俺だけのもの。 6/18 お題:流れ星 流れ星に願いを込めると必ず叶う。 そう言ったのは、今も眠り続ける幼なじみの少女。 俺はそんなもんを信じる質(たち)じゃねぇ。 だけど……。 お前がまた笑ってくれるなら、星にだって祈りを捧げてやるよ。 拍手御礼文 氷原に浮かぶ月 ――声が聞こえる ――遠く 近く 鳴り響いている 「隊長!一生ついて行きますからねっ!」 お前の声が、掻き消される。 いつか聴こえなくなってしまう。 それは、俺が消えた証。 だからその前に……。 お前の声が聴こえるうちに……。 十番隊隊長として、日番谷冬獅郎として、終わりにしたい。 ――在り処を求めて 進むと決めた ――この 氷原に死すとも [*前へ][次へ#] |