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2011/5
5/1
お題:チョコレート
「さすが冬獅郎だな。めちゃくちゃもらってんじゃねぇか」
「バレンタインかなんか知らねぇけど困るんだよ」
「でも、嬉しいしおいしいじゃねぇか」
「黒崎……もしかしてチョコ、好きなのか?」
「……あ、甘いもん好きで悪いかよ!」
「別にそんなこと言ってねぇだろ」
冬獅郎は机の上に置かれた箱から、一口サイズのチョコレートを取り出す。
「おすそ分けだ」
差し出されたそれを、一護は照れたように見遣った。
「お返しはするから」
一護は口で受け取ると、嬉しそうに笑う。
冬獅郎は満足げな表情で、一護を見つめた。
「期待してるぞ」
「隊長!それあたしが渡したチョコレートなんですけど!」
5/8
お題:カサ
「何してんだ?」
「見て分かりませんの?雨宿りですわ」
「……入ってくか?」
「ええの?」
「別に……」
「ほんならお邪魔しますわ」
ひょいと傘に潜り込もうとするギンを制して。
「その代わり、傘はお前が持てよ」
不本意そうな冬獅郎の表情に、ギンは笑う。
「仕方ありませんなァ」
くすくすと声を上げながら、ギンは傘を取り上げた。
5/19
お題:初詣
「たいちょ!今年もお願いしますね!」
「賽銭箱の前で言うことか?」
「だからですよ!印象に残るでしょ?」
冬獅郎は賽銭をひょい、と投げ入れる。
鈴を鳴らしてから手を合わせた。
「今年からは、副官が真面目になりますように……」
「今年"からは"って何ですか!永遠に真面目で居ろと!?」
「大丈夫だ。期待はしてねぇ」
冬獅郎は少しだけ、遠い目をする。
「死神が神に祈ってる時点で終わってんだろ」
「あー……とりあえず隊長、戻って来て下さい」
5/23
お題:映画館
「どうしよ。シロちゃん」
冬獅郎はけだるげに隣を見遣る。
視線の先には瞳を潤ませて見つめてくる幼なじみの姿。
「あんだよ?」
「す、すごく……っ、感動しちゃったよ」
雛森はハンカチで口許を覆う。
「みたいだな」
冬獅郎は呆れつつハンカチを取り上げた。
「鼻噛めよな」
鼻にハンカチを宛(あて)がいながら、冬獅郎は溜息を漏らす。
いつまで面倒を見させるつもりだ。
頼りにならない姉を持つと苦労する。
5/31
お題:ギター
「日番谷隊長!今夜もお願いします!」
「また来たのか。檜佐木」
「俺、弾(ひ)けるようになりたいんで!」
「仕方ねぇな……」
檜佐木の持っていたギターに興味を持ってしまったことを、切に後悔している。
つい声を掛けてしまい、嬉しそうな檜佐木に連れられ自室に招かれて……。
「はじめてのギター」とかいう本を読ませられた。
初めて弾いたその楽器は意外と簡単で……。
それから始まった檜佐木の行動。
正直、あいつにギターのセンスはねぇ。
季節外れもいいとこな内容が……。ほんとにお遊びな文ですね笑
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