[携帯モード] [URL送信]

短篇
手っ取り早く(冬獅郎+乱菊)
「松本っ!!」

たたき付けられたそれに、乱菊は口を尖らせた。

「何で剥がしちゃったんですかぁ?」

「剥がすわ!それ以前に、勝手に俺の部屋に入るな!」

「良いじゃないですかぁ。隊長とあたしの仲でしょ」

「どんな仲だ!」

「言わせるんですか?」

わざとらしく照れる乱菊を、冬獅郎は怒鳴り付ける。

「言わんでいい!それより、これは何だ!」

再度叩かれたそれを、乱菊は庇うように取り上げた。

「あたしの顔、叩かないでくださいよぅ」

「ただのポスターだろうが!」

「ただのポスターじゃないですよ!あたしの等身大グラビアポスターです!」

「等身大だと!?道理でな……剥がすのに苦労したぜ」

「隊長、ちっちゃいですもんねー」

「黙れ」

冬獅郎は乱菊の頭をぺしん、と叩(はた)く。

「いだっ!」

「とにかく、これは持って帰れ」

「えー」

「えー、じゃねぇ。そもそも何で俺の部屋なんだ!」

「だって、部屋でも隊長に、あたしのこと考えてて欲しいんですもん」

冬獅郎はきょとん、とする。

「それなら尚更、これはいらねぇな」



手っ取り早く

(お前が、来ればいいだろ?)

(良いんですか!?)

(今さら言うか)



[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!