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SS置場4
警備員 L(E?)

先日の茶会でちょっとだけ話題に出たネタを書いてみました。結末2択。下衆医にするかどうか迷ったので結果として
2択になりましたw 下衆医にGOを出してくれたYさんありがとう!結局そんなにエロくもなく、甘くもなくgdgdになりますた←














「ちょっとこっちへ来てもらおうか」

声と同時に、ぐっと手首を握られたキャスケットは、何の事だか分からずに きょとんと目を瞬かせた

「はい?」
人違いじゃないの、と思いながら相手の顔をまじまじと見る
顔が笑っているものの、その男の目線はきつく、しっかりと掴まれている手首は 力を入れているようにも見えないのに
びくともしない
まだ状況についていけないキャスケットの手が ぐい、と相手の方へと引き寄せられる
「え。 あの? どういう・・・」
ことですか、と続けようとしたのに 相手の男は手首を握ったまま くるりと背を向け歩き出した

「え?! え、何?!」
ちょっと、何するんですかと こんな時まで敬語が出てしまう自分の性格が憎らしい
絡まれた時に敬語でしゃべっている人間というのは、端から見ると卑屈になっているみたいに映るのに。

「いいから。騒ぎにしたくないだろ? それともごねて逃げる気か」
訳知り顔にそんな事を言われて、キャスケットは益々混乱した
「だから、一体何の事なんですかっ」
相手の力は自分よりも数倍勝っていて、踏ん張ろうにもそれどころじゃなくて 質問しながらただ相手の後を
ついて歩くしかない
一体どこへ、と思った途端に、警備室と書かれた室名札が目に飛び込んできて
「えぇっ!?」
思わず声を上げて足が止まる
2人が立ち止まったのは、男の目的の場所に着いたからで、ここに至って漸くキャスケットにも事情が呑み込めた

「俺、もしかして、万引きしたと思われてるの?」
誰に聞いたわけでもない、一人言に近いキャスケットの呟きに男が振り返った

「それは、これから確かめようか」

うそ、でしょ?

思わぬ事態に呆然としている間に、キャスケットは その部屋に連れ込まれてしまった







「冗談でしょう? 俺なんにも盗ってませんよ?!」
我に返ったキャスケットは なんで自分が!と間違いだと慌てて訴えた
ここに連れ込んだということは、この私服の男は警備員か万引きGメンという事だろう
何がどうなって自分が目を着けられたのかは分からないが、誓って万引きなんかしちゃいない

「だから鞄見せてみな。何もしてないならそれで直ぐに潔白が証明できるだろ」
「もう!分からず屋!」
それだけ言いがかりをつけておいて、鞄から何も出てこなかったら手をついて謝らせるからな!と男に向かって
持っていた鞄を突き付ける
「気が済むまで調べたら? 絶対に何も出てこないんだから」
強気に言い放ち、どかりと室内にあった椅子に腰を下ろしたキャスケットの目の前で、警備の男が鞄を開けて
中を覗き込んむ
だいたい、盗ってもいないものが鞄から出て来たりなんかしたらそれこそ魔法だ
むくれながら腕を組み、ほらさっさと非を認めて謝れと睨め付けていたキャスケットの目が 信じられないものを捉える

鞄に突っ込んでいた手を引き出した男の眉が あぁん?というように歪む

キャスケットは 自分の目の前に広げられた男の手の上に乗った、可愛らしいあひるのキーホルダーを
ぽかんと口を開けて眺めた

男が鞄に手を入れる前に何も持っていなかったのは自分の目で確認している
なのに、明らかに自分の持ち物じゃない小物が出て来たのは・・・・なんで?!

新品のソレは まだタグも取られておらず、誰が見てもレジを通す前の状態の売り物で

「おまえ、こんなの 欲しかったのか」
呆れたように言われて ようやっと 自分の置かれた立場に気付いて顔から血の気が引いていく
「なっ、に・・それ?」
呆然と、言葉が零れる
それを聞いた警備員の口元が、く、と器用にも片方だけ引き上げられた
「この状況で惚けるたぁ白々しい。認めろよ、おまえが盗ったんだろ?」
男のキツイ目差しに じろりと睨まれても感覚が鈍っていて恐怖を感じるどころじゃなかった
「ぇ・・・知らない。・・俺、そんなの、盗ってない」
見た事もなかった商品が鞄から出て来た事の驚きからまだ立ち直っていないキャスケットの様子を、男は別の意味に
解釈したらしい
「はぁん。 間違って盗るつもりのと違う商品を万引きしたんだな」
「ちがっ! 違うってば、万引きなんかしないって!」
思わず声高になるキャスケットの手が、また、男に掴まれる
何だよ、放せ、と腕を引くのに、キリキリと痛いほど手首を握り締められ 思わず顔が痛みに歪む
ぐい、と 男は掴んだキャスケットの手を机の上に押しつけた
引っ張られ、つんのめるようにして手をついたキャスケットは 机を挟んで警備員と額を付き合わせるような体勢で、
間近に見た男の目は、やはり冷たい色をして自分を見つめていた
(完全に、犯人扱い・・・だ)
違う。本当に、自分は身に覚えがないのに。
至近距離でのガンの飛ばし合いにたっぷりと時間を掛けた男がゆっくりと唇を動かす
「とぼけようがねぇだろ。こうして証拠も目の前にある、正真正銘の現行犯じゃねぇか」
・・・違うと思う。正真正銘ってのは、鞄に物を突っ込む瞬間を押さえて初めてそう言うんだ。
男の言葉に反論しようとして その可能性に気付いて言葉を止める
「それ、ホントに俺が鞄に入れるところを見たの? うっかり ぶつかったとか引っ掛かったとかで、鞄の中に落ちたとか、」
「こうしてここに連れ込まれた連中は十人が十人とも そうやって言い逃れようとする」
使い古された言い訳だ、と男はキャスケットの言い分に耳を傾ける様子も見せずに犯人だと決めつけてしまっていた
「でも、本当に、俺じゃないんだ」
「嘘をつけ」
ダンッ!と机に押さえ込まれて、倒れる拍子に胸をぶつけたキャスケットは、げほげほと噎せた
天板から飛び出すほど引っ張られた腕は伸びきっていて力が込められない
机に上体を預けたその姿勢は へっぴり腰にならないようにするには膝を曲げるしかなく、その上 肩を押さえられて、
キャスケットは完全に身動きが取れなくなった
『万引き犯に間違われる』なんて経験は初めてで、みんな、こんな扱いを受けるのか?と不自然な姿勢からくる苦痛に顔を歪めて考える
相手の目を見て無実を訴えようにも、押さえられたまま無理に視線を上げれば どうしてもへつらうようなポーズになってしまう
「頑固だな。素直になれるよう少し指導してやろうか?」
下から見上げるキャスケットを見て、男の表情が少し変わった
にやりと口端で笑った警備員は机の中から小さな輪っかを取り出したかと思うと、一つをキャスケットの手首にはめ、
逃げる隙も与えず素早く机の支柱に絡めてもう片方の手にカチリと留めた
(手錠?!)
警備員て手錠なんか持ってるの? あれは警官だけじゃなかったか。いや、別に、本物じゃなくても いいのか
「くすくす、おもちゃだよ。ま、少々暴れたところで壊れやしねぇけど」
「こんなの、取り調べの警備員に出来る権限を越えてる!」
ガタガタと腕を引いても取れるはずがなく、自由になるには机を乗り越えて支柱から手錠を抜くしかない
外に出て店の誰かに訴えればこのおもちゃの鍵も外してもらえるだろう
この警備員は絶対に店のルールに従っちゃいない
逃げなくちゃ、と思うのに、自分の上体はまだ天板の上に押さえつけられたままで、警備員の腕からどうやって
抜け出せばいいのかとキャスケットは途方に暮れる
ぐ、と更に頭までを机に押しつけられて、放せ!と暴れようとしたキャスケットの方へ、机を回って警備員が近づいてきた
ヤバイ、と本能が危険信号を発している
両手は使えない。
その上、机に押さえつけられた状態で背後を取られるのは どう考えたっていい展開にはなりそうにない
必死で蜿き始めたキャスケットの顔を、ぐりぐりと机に擦りつけた警備員が、キャスケットの上に身を屈めたのか
くすくすと笑いながら耳元に粘っこい声で囁いた

「何をそんなに暴れてるんだ? あんた、何されると思ってるわけ?」

ひやり、と その男の声は神経を逆撫でた

楽しそうな口調は間違いなくキャスケットの状態をいたぶって遊んでいる

「期待されてるんなら、応えないとなぁ」










ここから先の展開は2択です。好みの職種を選んで下さい
※片方は下衆医(下衆度は低め)です、ご注意!この展開でどちらを選べば下衆かはおわかりだと思いますので
お好みに乗じて選択肢を選んで下さい


1.警備員
2.店長



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