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SS置場3
拍手ログ SSS 青い鳥 L(P視点)
拍手ログ。リハビリ代わりにお布団の中で携帯ぽちぽち。拍手文にも短い数行のSSSです。昼休みクオリティ程度で。
ロキャスなんだけどペンギン視点なのでロキャスと言っていいのか・・・な?








キャス起きたか?
前触れ無く唐突に ぱかりと開いた目に気付いたペンギンが声を掛けた

目覚めたばかりのぽやんと力の抜けた顔をしたキャスケットが起き上がってキョロキョロと辺りを見回す

何か探しものかと尋ねれば、彷徨う視線がこちらを向いて こくりと頷いた後 また遠くへと逸れた。
数回、あちこちと動いた後 ふ・・・っと目線を下に落として自分の手を見ている

どうした? と聞いてやると シーツに目を落としたまま ぽつりとキャスケットは呟いた

「船長に、さ。 誕生日に何が欲しいか聞いたら、"愛が欲しい" って言うから」
そこでキャスケットの目が上がり、正面を見据える
「この船のみんな船長の事大好きですよって言ったんだけど、"そんなんじゃない、俺が欲しいのは愛なんだ"って言うんだけど」
言葉を切ったキャスケットは 途方に暮れたような目で 今度は真っ直ぐにペンギンを見上げた
「ねぇ、船長の欲しがっている愛って、どんなものだと思う?」
愛とは何か、という定義を朝っぱらから問われて ペンギンも戸惑いを隠せない
またこいつは何を言い出したのかと呆れた思いで眺めていると、
答えずにいるペンギンをどう思ったのか、キャスケットが再び口を開いた

「クルーみんなから愛されてますよって伝えても、そんなんじゃないって言う。一緒に夜を過ごす相手が
必要なんですかと聞いても それでは満たされないって言う。 俺、こないだからずっと考えてるんだけど、
船長の求めてる愛が何なのか解らなくて。」
・・・つまりアレか。
こいつは3日前に船長室を訪ねてから、夜も眠らずにそれを考え続けてついに4日目の訓練途中にぶっ倒れたわけか。
通りかかったローが簡単に脈や熱を診て 『ただの寝不足だ、部屋に放りこんどけ』 と言ったとおり、
寝かされたベッドで翌朝まで食事も取らずに眠り通したというんだな?

(ローもローだが こいつも大概莫迦だ)
眉間に皺を寄せて溜め息をついたペンギンを、キャスケットが不思議そうな顔で見つめる

「まず、先に洗面所で顔を洗って身なりを整えてこい。次に食堂で3食ぶりの飯を食って、その後船長室に行け」
ペンギンの指示に 首を傾げるキャスケットをベッドから引き摺りだして もたもたしている尻を蹴り飛ばす

「そこでおまえが "愛してます" と言えば誕生日プレゼントはそれで決定だ」
とっと行け、この鈍感野郎。
有無を言わさず え、だって、と赤面している男を部屋から追い出して やれやれと肩を竦める。
倒れるほど何を悩んでいるのかと思えば、要するにキャスケットは船長に彼を満足させる愛を与えたかっただけじゃないか
心配してばかをみた、と倒れた仲間の体調を気遣って朝までついていたペンギンは、
「まぁ、つまりこれは俺からの贈り物という事だ」
今日という誕生日に まだ贈り物を決めかねていたペンギンは そういう事にしておこうと決めて
雑務までの数時間を仮眠に充てようと折よく空いた目の前のベッドに潜りこんだ







本当は青い鳥みたいに『前方だけを探し求めすぎてすぐそばで手をさしのべているるキャスケットに気付かないロー』
もしくは『言葉にこだわり過ぎて自分の探しているものが何か分からなくなったキャスケット』そして『探すのをやめれば
そこにある事に気付くのに』みたいな話にするつもりでしたが微妙エンドは少々お腹いっぱいになりつつあったので
全然違う系統にしました^^  誕生日ネタだけど誕生日SSでもなかった←  船長お誕生日おめでとうございます^^


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