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SS置場3
拍手ログ 高校生2 L

拍手ログ。高校生 の2人。でもオチはないです。









『ここで待ってて』

そう言ったきり、ローはどこかへ行ってしまった

仕事を終えて帰宅してみれば室内には我が物顔でくつろぐ学生が居て――たまたま、街で拾っただけの、高校生。
怪我をしていたから放っておけなくて連れ帰って手当をしたのが切っ掛けで・・・・帰るなり、そのローに連れ出されてしまった。
まだ夜は早い。
こんな時間にキャスケットが帰宅できたのは、仕事に慣れて手が早くなったというより今日がノー残業DAYだからだ
たびたびキャスケットの家にやってくるようになっていたローは、いつの間にかその事を知っており、早い時間から
やってきてキャスケットを捕まえる
合い鍵だって渡した覚えはないのに、勝手に作って自由に部屋に出入りするようになった

でも、外に連れ出してどうするつもりなんだろう

食事でもたかられるのかと思っていれば、待てと言ったきりローは姿を見せない
(・・・帰りたい)
昨夜遅くにやってきたローの相手をさせられて、睡眠不足の脳が眠りを求めているのが分かる
(眠いなぁ)
今日がノー残業DAYで助かったと思っていたのに、今夜もローに付き合うのか。
こっちが眠りたいのを知っていて、ローならしつこく明け方まで許さないことだってありえる
なのに あの学生は心得たもので、翌日の仕事に行けないほどの無茶はしない
"無理をすれば仕事に出られる"
疲れた体でドジを踏んでミスをやらかす一歩手前くらいでキャスケットを解放するのだから。
それを計算でやっているのだとしたら恐ろしい
(だけど、ローなら本当に分かっててやっていそうだ)
キャスケットは常に疲れた状態でいるに近い。
蓄積された疲労を週に一度の早帰りの日に解消すべく、体を休めたかったんだけど・・・
立ったままでも眠れそうだ、と閉じそうになった瞼を持ち上げて、ぶるりと頭を振ったところで
いきなり肩を抱かれて目を瞬かせる

見上げれば、そこに居るのは見知らぬ男。
「・・・え?」
戸惑うキャスケットの肩を引いた男は歩きだそうとしている
(え・・・何?)
動かないキャスケットを何と思ったのか、足を止めた男はじろじろと遠慮のない視線を向けてきて
その粘着く視線にぞっとして後ろに身を引きそうになる
それが出来なかったのは、男にしっかりと掴まれていたからだ

「なかなか、だね。肌もぴちぴちしていてまだ若い。それをあんな安値でいいと言うんだから、相当好き者だね、キミ。」
好き者? ・・・・安値?
何のことだと訝るキャスケットの視界にローの姿が見える。
男の肩越しにちらりと見えた彼は、にやりと笑って手を振った
その唇が 大きく動いて "が・ん・ば・れ・よ" と動く
「ぇ・・・えっ?」
事態を把握していないキャスケットの肩から手に持ち変えた男が歩き始めて、彼に手を引かれるようにして数歩進んだ
「早く行こう。たっぷり、悦ばせてあげるから」
「なっ、・・・」
これって、もしかして売春・・・?
気づいたキャスケットが男の手を振り解こうとする直前、ローが手に持った携帯をちらつかせる

"騒ぎ立ててみろ。この中のデータをばらまくからな"
にっ、と口元を歪めるローの動作は、そういうことだ
あの中には、たくさんのキャスケットの痴態を納めた画像や音声、確かめたことはないけど多分動画だってあるに違いない

―――こんなの、イヤだ・・っ

キャスケットの胸中での叫びは、表に出すことは出来なかった








「お疲れさま。おっさん、ご満悦で帰ってったぜ」
見知らぬ男に散々好きにされて 起きあがる気力もないキャスケットが沈む気分同様、
シーツに埋もれているところへローが姿を現した

「汗と精液でべとべとだな。おまけにぼろぼろ泣いている」
指一本動かすのも億劫なほど打ちのめされたキャスケットの髪を指で梳いて 頬の水滴を拭うローは、
脅されて身を売らされた現実を突きつける
「あれくらいの年齢のやつって、しつこいんじゃねぇ?なぁ、あいつ、上手かった?」
どんだけ啼いた?と答えられるはずもないことを平気で聞いてくる
「声、聞かせろよ」
伏したままのキャスケットをごろりと転がして ローの手がまだ火照りの引かない肌に触れる
「ヤっ、・・・やめ、ろよ」
嫌がって身を捩ったキャスケットの上に乗り上げるようにローが顔を覗き込んだ
「少し掠れてるな。あいつの手は気持ちよかったか?」
慣れた手が好き勝手に肌を這う
「や、だっ・・・も、やめ、ぁっ、んん、・・やだ、っ」
敏感になっているところへ慣れた刺激を与えられては欲望に火が着くのも直だった。
この体を知り尽くしているローにはキャスケットの理性を崩すのは得意の数式を解くよりも簡単だろう
「あれくらいじゃ足りないよな?俺じゃなきゃダメだってくらい仕込んでやるから」
あんた、俺のモノだもんな
のしかかるローの体温にふるりと肩を震わせ 啜り泣く吐息をこぼしながら キャスケットはローの言葉に従うように
欲に濡れた声を上げた






 取り上げて、うち捨てて、でもまた拾って

壊してしまいたいのに、無くなるのは嫌









前回ほどローが病んでない気がします。ローが家に来る事に馴染んでしまったキャスケットと、
そのキャスをいいように弄ぶロー。前回の予想どおり性質の悪いヒモ化。つってもローはお金に
困ってないから始末が悪い。目的はお金じゃなくキャスケットを傷めつけたいだけ。


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あきゅろす。
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