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SS置場3
バイト3 E


バンキャスいきまーす。と言っても うちの定番な感じで真新しい事はやってないです。「マンネリだな」と
思われると思いますがちょっとだけ雰囲気出してもらいました^^













「・・・っ、バ、ン・・・」
くるくると肌の上を滑る手を振り払ってしまいたい衝動に耐えて、キャスケットはぶるりと首を振った
くす、と耳元で笑ったバンが "何?気持ちいい?それとも 恥ずかしい?" とわざわざ聞き返す

――言葉で確認されると余計に緊張する
最初の夜にキャスケットが漏らした言葉。
しっかり記憶しているバンは、ちょくちょくこうやって言葉でキャスケットの羞恥心を煽る
うぅ、と唇を噛んで漏れそうな声を飲み込んだキャスケットは、あれほど長居するのを避けていた浴室で
"洗ってやるよ" と後から入ってきたバンに体を洗われていた

きめ細かく泡立てた石鹸を塗りたくられ 泡塗れになったキャスケットの肌の上をバンの手がくすぐるように気紛れに滑る
(ここにも、カメラがあるのに・・・っ)
たまに明かりを付けたままの寝室で抱かれる事もあるけど、この狭い浴室はあれよりも明るいような気がする
それに、
(寝室と浴室じゃ、同じ行為をしていてもいたたまれなさが全然違う)
「ぁ・・・っや、」
さっきから 何度目かの、両胸の小さな突起への指戯に キャスケットは ひくりと身を震わせる
すでに尖りつつあるそこを爪で引っかかれて 腰へと走る甘い痺れに思わずのように漏れた声が室内に反響した
バンの腕は自分の背後から伸びていて、弄られているキャスケットは その顔も蕩けていく体もカメラの前に晒したままだ
「あ、ぁ・・・バンっ、も、や、だ」
兆し始めた分身が泡の中から姿を覗かせそうで "この体勢はイヤだ"と訴えるキャスケットは泣きそうな顔をしている
しばらくそのまま、キャスケットの顔を充分カメラの向こうの相手に堪能させたバンが 腕の中の痩身をくるりと反転させた
向き合うなり ぎゅっと抱きついてくる男の背中をよしよしと撫でて諫めてもキャスケットは必死でしがみついて離れようとしない
――カメラの向こうで見てる方も 可愛いと思うだろうな
自分の胸に埋めたキャスケットの顔を持ち上げ 額に軽くキスを落とす
まだ慣れない行為に耐える彼の固く閉じられた目尻には涙が浮かんでいた
顔や性器を隠せてほっとしているであろうキャスケットには可哀想だが、バンが彼の向きを変えたのは
その為じゃなく別の目的があったからで、それは余計に彼を恥ずかしがらせると分かっているから少し罪悪感が沸く
"悪いな"
ぼそりと漏らした言葉にキャスケットが え、と薄く目を開けた

「う、ぁ!」
そのキャスケットが 肉を割って潜り込んできた指に慌てた声を上げる
「あ・・・、バンっ!やだ、おねが、いっ」
先程の自分達の体勢から 今は入り口に埋め込まれる指がカメラに写っていると分かっているのだろう
真っ赤な顔で羞恥に耐えるキャスケットが必死の声で許しを請う
嫌がって頭を振る彼の赤い耳たぶが目の前で揺れる
それに唇を寄せ ぱくりと咥えて 耳の中へと舌を伸ばすと ぁ、と小さく声を上げてキャスケットが仰け反った
・・・もうしばらくは観客の目を愉しませたい
(カメラなんて気にする余裕もなくしてやるから少し我慢しろよ)
零れてしまった涙を舌で掬ったバンの手が中のしこりを探して、く・・・と折り曲げられた
「・・・っ、・・・っ!・・!」
跳ね上がる肩に歯を立て、声も出せずにびくびくと弾ける腰を抱き寄せたバンは、とらえた箇所を指で責めながら
キャスケットの震える唇を塞いで舌を差し込んだ







「・・・バンってさぁ、優しい顔してるけど結構サドだよね」
寝室に場所を移した後の一戦を終えて、くたりとシーツに沈み込んだキャスケットが掠れた声で怠そうにそう断言する
「あー・・・今日はちょっと意地悪だったかな」
くしゃり、とその髪に指を差し込むと 瞼を持ち上げようとしているらしいキャスケットがゆっくりと目を開いた
眠そうなその目は とろりとしていて 最中の彼の顔を思い起こさせる
だが 流石にこれからもう1ラウンドを強要するのはまだ慣れない彼には酷だろう
「そのまま寝てていい。後始末しとくから」
「・・・やだよ。自分でする」
バンがやると ここか風呂場だろ、と下から上目使いに睨まれて苦笑を零す
トイレにはカメラがないと知っているキャスケットは事後は必ずトイレに籠もって自分で処理していた
(俺がそう聞いているだけで本当は隠しカメラがあるのかもしれないのに)
今はそうだけど いつカメラが入るとも知れないんだと後で耳打ちしておいてやろう
Sっ気のあるヤツには彼のようなタイプは相当美味しい人間だと思う。
からかって弄っても苛めても、見事に相手を満足させる反応をする
仕事上、キャスケットからはドSと呼ばれるような仕打ちをしてはいるが、取り立ててS気の無いバンでも
時折酷くそそられる表情を彼はする
借金を返し終わる頃には相当の人気商品になっている事だろう
下手をすると売りに出されてしまう可能性もあるから そこそこのところでセーブしながら彼を見せなければ。
こちらの苦労も知らずにキャスケットは バンのドS〜 と舌を出して顔を顰めると まだ頼りない足取りでトイレへと消えて行く

"この部屋での映像の録画は無し"
此処でしか見る事ができないという限定商品として人気を煽る
彼を抱くかどうかも、バンとキャスケットの気分次第で いつ来ると美味しい場面に遭遇するのか分からない事で
値打ちを上げている商法は、当分の間通じるだろう
(大丈夫だとは思うが、「高額な報酬で他の人間に抱かれてみないか」という事務所からの誘いにうかうか
のせられたりしないだろうな・・・?)
一度足を踏み入れれば、事務所が手離すはずがない
骨の髄までしゃぶられ、売れれば売れるだけ客を取らされる

表面上の表情は変えずに 考え込んでいたバンの耳が足音を捉えた
カチャリ、と扉が開いて 出て行ったはずのキャスケットがあくびをしながら戻って来る
「忘れ物か?」
「んん、違う。 自分の部屋に行ったら寒かったから」
暖房も入れずにいた人の居ない部屋は冷えきっていたのだろう
「今日こっちで寝る」
何度かこの部屋で朝を迎えた事があるから一緒のベッドで眠る事に抵抗はない様子のキャスケットを手を上げてそこで止める
「あ、待て。シーツ替えよう」
せっかくパジャマに着替えてきた彼を汚れたシーツに寝かせるのも可哀想だ
部屋から持ってきたらしい自分の枕を抱えたキャスケットはバンの言葉に少し顔を赤らめて立ち止まったが、
「あ、あぁ、そうだね」
慌てたようにそう言って、替えのシーツを取りにせかせかと出ていった。
キャスケットの居ない間に汚れたカバーを外して丸め、自分も服に足を通したバンが洗濯機に放り込もうと
部屋を出たのと入れ違いに戻ってきた彼が手早くベッドを整え中に潜りこむ
「・・・やっぱこっちのが暖かい」
枕を抱えたまま キャスケットは ふぅ、と息をついた
「おい、占領するなよ。ちょっとつめろ」
寛ぐキャスケットの体を端へと押し込みながら ふと、さっきの疑問を口に出す
(なぁ、もし "他のヤツとも寝るか"って聞かれたらどうする?)
潜めた声で言った途端、ぎょっとしたようにキャスケットが顔を上げる
(え・・・っ、そんな話になってる・・・の?)
慌てるキャスケットの様子では できる事ならそういう事態は避けたいと思っているようだ
(いや、今のところは別に。事務所の方から売春の話が来たらどうすんのかと思って)
(無理。絶対無理!イヤだよ、そんなのっ)
必死の相手に思わず苦笑が漏れる
(今んとこ充分人気があるみたいだから当分この形態のままだろ。)
そう教えてやるとキャスケットは複雑そうな顔で、それでもほっとしたように頷いて詰めていた息を吐いた
男同士の濡れ場のどこに需要があるのか分からないのだろう
まぁこれだけ嫌がっているのだから 事務所でそういう提案が出た時は握りつぶしてやるか。
――その場合の代替案・・・としては。
自分が誰か別の人間に変わるか、もしくはもう一人加えて・・・
――あぁ、ちょうど、アイツなら キャスケットを気に入りそうだし、こういうバイトでも面白がりそうだ
友人の中の一人の顔が思い浮かぶ

こいつは嫌がるかもなぁ・・と、話が途切れた途端眠気に抗えずに目を閉じてしまった顔を見ながら くすりと笑う
なにせ、アイツの事だから 普段でもキャスケットを弄り倒して からかいまくるだろう
それはそれである意味可哀想かもな・・・ まぁ悪いヤツじゃないんだけど。
――すぐに飽きられないように、徐々に、段階を追ってエスカレートさせて・・・
(まぁ、俺が居る間は飽きられないよううまくやってやるさ)
寝返りをうったキャスケットのはみ出した腕を掛け布団の中にしまってやりながら、バンは くすくすと楽しそうに笑った


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