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SS置場3
バイト2 E


先日のバンキャス。・・・といってもこの二人の間で恋愛感情があるのは全く想像できない。だから多分ない←













「よぉ、今日は遅かったな。時間ギリギリだ」
先に来ていたバンの声が中から聞こえる
「買い物してきたから」
ひょい、とリビングに居るバンに袋を見せてそのままキッチンに向かう
来る途中、店に立ち寄って買ってきたものは今夜の夕食になるはずの食材。
「なに、飯作るの? キャスケットって料理できるんだっけ?」
いつの間にか寄ってきたバンが荷物を覗き込んでいた
(・・・ネコみたい、なんだよな。)
足音があまりしないから 気付けばすぐ傍にいて驚く事なんてしょっちゅうだ
「・・・ん。食ってくる暇無かったから」
出来るだけ然り気無く言ったつもりだけど、バンは声を立てて笑う
「嘘つけ。買い物してくる時間があるならどっかで食う方が早いだろ。しかも わざわざ食材か? はは、間が保たないんだろ」
う、と詰まったキャスケットを肘で軽く小突いたバンが距離をとる
「俺、しゃべるのは得意な方なんだけど、」
いい掛けて止めた続きは、言っていいのか分からなかったからだ
"だから、話してるうちにぽろっと余計な事を漏らしそうで怖いんだろ"
いつの間にかまた近寄っていたバンにそう耳打ちされる
(・・・俺ってそんなに分かりやすい?)
図星をさされて困った顔をしても、バンはうまくスルーしてくれる
職場では接客担当でもしているのだろうか。彼は空気を読むのが上手いし不自然さを感じさせずに話題を流す
だから、よく知らない相手同士なのにキャスケットとバンの会話はスムーズで友人同士のようにも見える
「ハンバーグ?」
まな板の上にならんだ食材を見てバンが献立を当てた
幾つかの野菜に挽き肉、卵にパン粉とくれば多少料理が出来る者には簡単に予想がつく
「食べるんなら、バンの分も作るけど」
「食べる」
それらの食材がスーパーの袋でなく、エコバッグから出てきたのを確かめたバンが よしよし、というように目を細める
念のため、ここに来るまので間にパッケージに付いたシールも読めないように剥がしてあった
キャスケットが初めに会った時の忠告をきちんと頭に入れているのを確認したバンが「サラダくらい作ろうか?」と
申し出たのに頷いて食材を手に取る
あくまでも 雇う側の人間と雇われている人間だというのを忘れないように、でも、見ている客が不審がらない程度には親しそうに見せて。
キャスケットは、バンとはそういう心構えで接している
「じゃぁ、そっちはお願い。 食器とか、あったかな」
「それなりの皿は置いてあったぜ。出して洗っとく。」
お願い、と任せて手早くタネを混ぜ合わせていく
体温で温まってしまったら、べちゃっとして美味しくなくなってしまう
母親が生きていた頃に教わった手順を思い出しながら作ったハンバーグとポテトフライはなかなか好評で、
どうやら一人暮らしで自炊しているらしいバンとそこそこ料理の話題で盛り上がりながら夕食を終えた。
適当なTV番組をいくつか見たら そろそろお風呂の時間になる。・・・・憂鬱だけど。
「先、使うよ」
声を掛けてシャワーに向かうキャスケットは笑顔のバンに見送られて、こっそり溜息を吐きながら浴室に足を踏み入れた






「あれ、もうあがったのか。風呂好きのタイプだと思ったのにキャスっていつも烏の行水だよな。それも極端に短い」
バンに指摘されて、なんとも言えない思いで俯く。
そりゃ、バンの言うとおり 本当は俺だって湯船にゆっくり浸かってのびのびと風呂に入るのが好きだけど。
くくっ・・・という声が聞こえて目を上げると、バンがくすくすと笑いを零していた
「わり。ちょっとつつけばすぐ言葉に詰まって困った顔するから からかってみただけ」
覗かれてるのが分かっててリラックスなんて出来るわけねぇよな、とあっさり言われて拍子が抜ける
そう。
きっと、お風呂場なんて絶好の場所、隠しカメラがないなんて都合のいい事があるわけがない。
だから出来る限り最小限の時間で洗って、服だって手早く身に着けるようにしていた
「・・・俺、ここに来るようになってから異様に着替えの手際が良くなった気がする」
思わず本音が唇から出てしまい、あ、と慌てて口を覆ったのだが今更出てしまった言葉を引っ込める技なんて
残念ながら持ち合わせちゃいない
そのキャスケットの様子を逐一見ていたバンがケラケラと明るい声で笑っていた
「素直だね、あんた。」
くすくすとまだ治まらない笑いを漏らしながらそう言う彼は、週に二日顔を合わせているというのに
一度も怒った顔を見た事がない
何か企んでる顔ではないのだが 本音の部分は隠されているんだろうなぁと バンの顔を眺める
「ここに来るのは週に二日しかないんだから、シャワーなんて省略しようと思えばできるだろ。嫌なくせに
そんなに慌ててまで、なんで入ってんの」
聞かれた質問には 答えた方がいい・・・のかな。
「だって、室内や浴室にはカメラが入ってるんでしょ。自由に過ごしていいって言われてるけど 仕事だから」
話しながら目を下に落としてしまうのは、仕事だと完全に割り切れていないからだと思う。
今のこの行動も 誰だか分からない不特定多数に全部覗かれているのだろうか
「へぇ・・・、見られてるの分かってて 風呂に入ってたんだ」
面白がっているような口調だけど、そう話すバンの雰囲気がどこか変わる
多分、"仕事モード"に切り替わりつつあるんだろう
いよいよかな、と キャスケットは こくりと唾を飲み込んで、声、震えないでくれよ・・・と思いながら乾いた唇を動かした

「このバイトが 一人じゃないのも、そういう事なんだろ。その為に バンが居るんだよね?」
一気に言い切って、きゅっと唇を引き締める
顔が熱いから、たぶん目の回りなんかは赤くなってるんだろう
それを少しでも隠したくて 伏せ加減にした顔は上げないまま。
「・・・ここの生活に慣れるまで待とうかと思ってたんだけど、もう覚悟は出来てんだ?」
それとも 何時くるかとハラハラしてるより先に進んでしまった方がマシ?
立ち上がったバンがゆっくりと近づいてくる
「口に出したくらいだから いいんだよな」
確かめるように言われた言葉はけして押しつけがましいものじゃなかった
目を上げる事無く頷いたキャスケットの腕にバンの手が掛かる
"おいで"
促される言葉に従って 彼の後についてキャスケットは寝室へと入っていった




「電気。点けなくていいの?」
枕元のスタンド以外は消えたままの室内でキャスケットが尋ねる
「いいよ。最初だし、これでも表情くらいは見えるだろ。あ、勿論音は全部聞こえるからな。あと、赤外線カメラなんて
味気ないものは隠してないから。」
改めて念押しするくらいだから、マイクの性能はよほど良い物を使っているのだろう。
だとすれば 覗いている者には 今自分が脱がされていく衣擦れの音も聞こえているのかもしれない
「演技はしなくていい。声も、殺したければ好きにしな。素の表情こそ、覗いてる醍醐味だから」
と言われても 覗かれていることは知っているのだからどうしてもカメラの存在を意識してしまう
「緊張して当然だから、それは構わないよ。むしろ、その緊張した顔を見てもらって。大丈夫、相手は そういうのも愉しいんだ」
(緊張して恥じらう顔が 与えられる快楽に戸惑いながら溶けていくところなんて あいつらにゃ美味しくて堪らない映像だろ)
言えば余計に恥ずかしがるだろうと、バンは言葉を呑み込んで 手慣れた手順で初々しく竦む相手の体を暴いていく
覚悟を決めているとはいえ 男相手は初めてだろう――その年では女とも経験が無いかもしれないキャスケットは、健気にも
強ばった体からなんとか力を抜こうと努力している
「心臓、すげー早い」
「・・・声に出さないでよ」
言葉で確認されると余計緊張する
そう言うキャスケットを そのうち言葉責めでいじるのもありかな
冷静な部分でそんな事を考えながら バンは その日、初めてキャスケットを抱いた










つっても次回この続きじゃありませんよ^^  やっぱローでやるべきだったな〜 ローでやりたい。や、バンさんと
キャスって口調にてるんですよ。同じ系統で。無理矢理変えると今度はローみたいな口調になって困る!
自分内似たキャラで絡みはするもんじゃないな、やっぱw てか、これ続き物なの?かな? そしてこの後の
展開考えてないよ。続きあるの? 1シーンだけ考えてるとこはあるけどオチてくれない予感。展開何も考えてない!



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あきゅろす。
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