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SS置場3
夢 P

昨日朝方見た夢を文字起こし。場面飛んでたりするからそこは少し書き足してお話っぽく。でもあくまでも
千堂が見た夢の内容ですから期待は無しですよ^^ サイト用に登場人物はキャスケットにしてあります。









「内容は理解しているんだな?」
移動に使っている電車の中で 彼の上司にあたる強面の男に確認される
「う・・・うん。」
分かってる
組織の人間と違って、顔を知られていない一般人の自分なら怪しまれないから。
内部に入り込んで、この、ウィルスを・・・・どこか末端のシステムにでもいいから 注入する
「本当は、おまえなんかじゃ頼りないんだが」
じろりとキャスケットを睨んだ男は こんなのに任さなきゃいけないのか、と嫌々ながらの決断を
本当にそれでよかったのかと危ぶんでいるようだった
(・・・俺だって、本当は、怖い)
だけど、ペンギンさんの、たってのお願いだったから
キャスケットは、もうずっと、その人に恋い焦がれていたから――

『俺っ、俺に、出来る事だったら、手伝います!』
気付いたら、キャスケットは ペンギンさんに向かって そう叫んでいた

明日、大きなヤマが動くという。
普段ならありえないことなのだが、その人員補給に何人か組織の人間じゃない者を雇い入れる
その情報をキャッチしたのが募集の締め切り間際だった為 面の割れていない人手を確保する事が出来なかった
苦肉の策で ペンギンの知り合いだった一般人のキャスケットに白羽の矢が立ったわけだ。


電車を降りて 男と別れる
(面接に行く前に ペンギンさんと会えればよかったのに)
俯き加減でキャスケットは くじけそうな気持ちを奮い起こしながら足を進める
遠くから顔を見るだけでもできれば。 それだけで、上手くやれるような気がするのに。
『聞こえるか』
突然耳に響いた、さきほどの男の声に、びくっとキャスケットは肩を跳ね上げた
(き、聞こえてる・・・)
ぼそぼそと囁く声は、ジャケットの内側に取り付けてある小さなマイクが拾っているはずだ
キャスケットの耳には小さなイヤホン型のスピーカーが取り付けられている
髪に隠れているとは言え、身体検査をされてしまえば一発でばれてしまうんじゃないか
震えそうになる腕を必死で抑えていたキャスケットの耳に、
『以降何もなければ連絡は入れないから、指示通りに行動しろよ。・・・返事は必要ない』という声を残して
スピーカーは音を出すのをぴたりと止めた



(難しい事はないはず。普通に臨時のバイトの面接に来た人間のつもりで、普段通りにしてればいいんだ)
門のところで 一度立ち止まって確認する。
どこから見ても 一般の企業に見えるのに・・・
ドキドキと煩い心臓を落ち着かせながら キャスケットは敷地内に入っていった

(とりあえず、面接は受けるんだよな)
大勢いればいいのに。
そうすれば、面接が終わった人間のうちの一人くらいどこかに消えたって目立たないだろ
目についてしまいそうな色のキャスケットの地毛は 黒っぽい茶色に染めてあった
仕事で歩く人に紛れて面接会場に向かう
同じ方向に向かう人間に紛れたものの、キャスケットが期待したほどには人の姿がない
(・・・ま・・ずく、ない?)
心臓がまた騒ぎ出したちょうどその時に、スピーカーが声を立てた
『計画変更だ。』
「・・・っ?!」
危うく上げそうになった声を辛うじて飲み込んだ
(・・・だめだ。心臓、爆発しそう)
突然の事に キャスケットの心臓は どきんどきんと早鐘を打っている
『面接会場のある建物と目的のシステムは繋がっていない事が分かった。なんとかメインの建物に潜り込んでくれ』
――無茶だよ、そんなの!!
ちょっと、待ってよ。 そんな事態なら計画は中止してくれてもいいじゃないか
「た、建物って、どれ」
次々と浮かぶ文句をなんとか押し殺して震える声でそう聞き返したキャスケットの顔は半分泣きそうだった
(だって、これじゃ、計画を実行した後の俺の身の安全なんて考えてないじゃないか)
やっぱり、俺、使い捨ての駒、なの――?
(もう 一般人のふりなんて無理だ)
スピーカーからの指示通りに 早足に進む。
走ってしまっては目立つ。かといって、ゆっくり歩いていくようなゆとりも無い
「こ、この、建物・・・?」
聞いてみても、キャスケットの姿の見えない男には答えようがないのだけど。
声に出して呟く事で もう後戻りできない自分を確認したかっただけだ
メインの建物の図面なんて一度も目を通してない
どの部屋に行けば端末があるかなんて 素人のキャスケットには分かるわけないのに。
意を決して中に入ってみると、運良くそこには誰の姿も無かった
エレベーターは明らかに危険だからと素人判断で階段に向かう
その手前の部屋の扉が目について 中に人の気配が無いのを確認して そっとノブを回す
(鍵・・・掛かってない)
廊下に人がいないのを幸いと、キャスケットはするりと中に入り込んだ

「・・・うそ。 端末機が、ある」
これ? これに、ウィルスを感染させればいいのか?
(で、電源・・・)
恐る恐る近寄ったキャスケットの伸ばした手が触れる直前、横から音もなく現れた腕が がしりとその手首を掴んだ


「ひゃっ!?」
気配もなく現れた腕に飛び上がる
慌てて振り返ったキャスケットの左右に ずらりと数人の男が姿を見せた
あわあわと声もなく怯えるキャスケットが男達に囲まれる
(お、おち、つけ・・・っ! ウィルスの入ったデータチップさえ発見されなければ、言い逃れできる・・かも)
だとしても、こんな場所まで入り込んでいる言い訳はどうすればいいのか。
迷ったという嘘としか思えない口実を言い張るしかない状況にキャスケットは胸中で頭を抱えた
そうこうするうちに、目に見えて震えているキャスケットの腕が左右から掴まれ、身動きを封じた男達の手が
次々に自分の方へと伸びてくる
――身体検査!!
すぐに取り出せるポケットのような所には入れてないのだけど、徹底的に探されたら見つかってしまう・・・
「あっ、」
ジャケットが剥がされ、後ろに控えた者の手に渡る
背後なのでキャスケットからは見えないのだが 数人で確認している気配がする
中に着ていたシャツも、取り上げられてしまった
(言い訳、すら、させてもらえないのかよっ)
いや、それよりも、詳しく調べられたら ボタンに隠したチップが見つかってしまう
焦るキャスケットの背をひやりとしたものが伝う
――ペンギンさん、助けて・・・!
いくら助けを求めても、来てくれるはずはないのに、それでもキャスケットは彼の助けを願った

「ぅ、わっ!・・・え?」
ズボンに手が掛かって動揺の声を上げる
下着一枚にまで剥かれた頼りない姿が ようやく抵抗を思い出したように暴れ出した
「ちょ、ちょっと、何、なんでっ」
さっきまで怯えて動けなかった侵入者が下着にまで伸びてきた手を必死で避ける様は 男達に幾許いくばくかの感情を与えたようだ
これくらいで動揺する、素人丸出しの相手を 嬲ってやろうかという、余裕。
不意に腕が自由になって、キャスケットは状況も分からないまま 慌てて窓際まで下がった
出口からは遠ざかってしまうのだが、そこにしか自由に動けそうな場所が無かったので。
室内に居た男達が呆れたように笑ったのは キャスケットが"何かあった時に窓から狙撃される恐れ"にすら
思い至らないほどの素人だったからだ。
「――あんたは、無関係の、一般人・・・か?」
向かい合った一人が、確認するように尋ねる
もちろん、男もキャスケットが無関係の人間だとは考えちゃいない
「、そ、そうっ、だよ」
青褪めた顔で こくこくと頷くキャスケットを くすくすという密やかな笑いが包む
(くそ、信じないのは、分かってるけどさ!)
震えるな!と 言う事を聞かない自分の体に必死に命じる
「それなら、身体検査くらいされても 平気なはずだろ」
――話の展開に息を呑む
違う、と言えば当然誰の命令だとか色々と尋問される。そうだと答えてもこのまま証拠を探す身体検査になる

答えられないキャスケットの方へ、ぽん、と何かのケースが放られた
訳が分からず見ているだけのキャスケットに、取れ、と命令の声がする
そろそろと手を伸ばして取りあげたその銀色のケースを、言われるままに開けると 中には白い粉が詰まっていた
「自分で潔白を証明してみせな」
・・・なんだろう。 自白剤か何かだろうか
訝しむキャスケットに にやにやと笑う周りの男達から "塗るんだよ、自分に" とヤジが飛ぶ
(塗る? この、粉を?)
要領を得ないキャスケットの目の前で 一人が粉を手に取って自分の肩にまぶすような仕草をしてみせる
「ほら、こうやって塗るんだ」
「な、何で・・・」
理解不能の様子のキャスケットを見て、やはり くすくすと厭らしい笑いが起こるのが不気味だ
(なんなんだよ、これ!)
塗ってやろうか? と脂下がった笑みで近づく男を避けて キャスケットは首を振りながら また一歩後ろに下がった
「ほら、俺のやる通り、自分で塗れよ」
・・・他に、手段はない
震える手に ケースの中の粉をあける
もう一度 顔を上げたキャスケットに 肩から腹に掛けて粉をまぶす仕草をする男の動きを真似して、
キャスケットは自分の身体に粉を塗りつけ始めた

肩から、腹。 脇腹から背中。
それが何か分からないまま 指示される通りに擦り込んでいくキャスケットの上半身はすでに白い粉でまだらになっている
「上は真っ白になっちまったなぁ」
不意に掛けられた声と同時に伸びてきた手が下着を摺り下ろす
「っやめて!」
手を弾いて 慌てて下着を引き上げるキャスケットの顔は 今にも泣き出しそうに歪んで震えていた
「・・・塗るんだよ、そこも」
くく、と笑った男がキャスケットの手を掴んでねじ上げる
嫌がる身体の逆側からも腕が伸びてきて、下着のウエストを引いて弾いては キャスケットに悲鳴を上げさせる
怯えるキャスケットの、泣くのを必死で堪える顔と嫌がって上げる悲鳴が彼等の目や耳を楽しませていた
"少しいたぶった後は情報を引き出す為に拷問に掛ける"
飛び込んできた獲物があまりにも弱々しく怯えた顔を見せるものだから 少しばかり愉しんでもいいと油断した。
散々からかって遊んだ男達が、キャスケットの下着に手を掛け、より怯える様を楽しもうとした瞬間、建物の電気が
バチンと落ちた

突然の停電に慌てた声が上がる
怯えきっていたキャスケットは、それでも 男達の手を逃れて 扉の方へと床を這うようにして向かう
息を殺して漸く辿り着いた出口付近で腕を掴まれて びくりと身を強張らせたキャスケットの口が大きな手で覆われた
(・・・・しっ!)
耳に届く潜められた声は聞き慣れたもので、安堵で崩れ落ちそうになった膝に慌てて力を入れる
その手に導かれて暗闇の中を歩くと、実に簡単に外に出た
建物から出る前にばさりと着せ掛けられたコートに身を隠したものの、コートの下に飛び出しているキャスケットの足は
何も着けない生足だ。
「・・・靴は履いてるけどぉ・・・」
文句を呟きかけたところを横から遮られる
「それくらい我慢しろ。俺だってコートの中が粉塗れなんだから」
どこから取り出したのか、綺麗に畳まれたハンカチが顔を拭う
「悪いが、足が着かないように車は使わなかったから、そのままで電車に乗ってもらうぞ」
「うー・・・・・はい。」
門の外に出た途端 離されてしまった手をぷらぷらと彷徨わせたキャスケットは、小さく唸ってポケットに手を突っ込んだ
服とかマイクとか置いてきちゃったけど、平気かなぁ
そんな事まで考える余裕が やっと出てきて、それに気付いた事で足取りも軽くなる
「うちで着替えていけばいい。代わりの服の用意はしてないから 俺の服になるが」
すぐ隣を歩くペンギンの言葉でキャスケットの表情が一気に明るく変わった
「ペンギンさんの、うちっ?!」
え、いいの? 俺が行ってもいいの?!
弾んだ声で何度も確認するのは、今までキャスケットはペンギンの家の所在を知らなかったからだ
「そのなんだか分からない粉も早く落とさないとな」
「そういえば、これ、何なんだろ。 だんだん痒くなってきた」
ぽりぽりと腕を掻きはじめたキャスケットの手がペンギンに押さえられる
分からないうちは掻くな、という事らしい
「へへ・・・ペンギンさんが押さえててくれたら、掻かない、よ」
離された手が戻ってきた事が嬉しくて 思わずそう言って笑ったら、キャスケットの手を握っていた指先に きゅっ、と力が篭もった







 貴方の為なら烈火の中でも参りましょう

そうすれば、俺の事を、少しは見てくれますか?







本当は、夢ではスパイはキャスじゃなくて千堂で、好きな相手もペンギンじゃなくてアーティストさんでした。
そして粉塗ってる時に部下を止めたのはそこの組織のボスで(ホントならローかな?) ちなみに夢では男達
じゃなくて試験会場を仕切っていた姉御みたいな人達でした。ボスの一声でみんなが手を退いたところで
起きちゃったんだけどね。最初は自分の意志で動いてたけど途中からTV見てるみたいに幕外で傍観して
いました。だから粉塗ってるとことか外から見てた。そしてなんで粉だったのかは不明w 所詮夢だからねw
書き始めの予定じゃペンギンはもっとそっけない人のはずだったんだけど、オチが付かないから助けに来て
もらいました。あ、勿論キャスケットはおとりで任務はペンギンが完遂させてます。最初からおとりだったのか
計画変更の時点でそうなったのかは分かりません。だって夢を文字起こししただけなんですもの♪
あ、この後の1場面書き進めてます。短く終える予定です。目がまだダメで・・・本当に貧血のせいなのかな、
コレ。リンク先サイト様のバナーを一個弄っただけで目がもう限界が来ました。騙しだまし、これをhtmlにする
作業をして、うぅーん、今日のpc作業これで終了かも。しかしHさんとかBさまとかkさまが見たらびっくりかも
しれない。バナーのないはずのサイト様なのにバナーが! ←TOP画がバナーの変わりにそこに居座って
いるのでございます \でで〜ん/ TさまのとこもHさまのとこもそうなんだけどね、絵じゃないけど。だって
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