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SS置場3
双子2 W

かなり昔にあった双子(シャチ×キャス)。この2人は特に雰囲気SSの傾向が強いです。最初に公開した時は
どちらも同じ名前のキャスケットでしたが公式名が発表になったので片方をシャチにしてみました。でも
シャチのつもりで書いてないから口調がキャスケットですね。気にせず読んで下さい(
最近エロが足りないとの事なので拍手差替の予定をやめて急遽こちらをUP。 エロ風にしましたが
ものすごくぬるいです。 あ、そして次回拍手はものすごく短いものになります。SSSより短い。










「これ、お兄ちゃんのだよ。」
にこやかにそう言って 弟の手にした袋から取り出されたのは どこにでもある普通の服だった
デザインもごく一般的で 弟がそんなに気に入って喜ぶような特別なものには見えない
その中身を見るのは今日が初めてだったけど袋の方には見覚えがあった。
先日から 何度か目にしている、このところ弟のシャチが足を運んでいた店のものだろう
自分の気付かないうちに増えた服のうちのいくつかはその店の商品なんだと思って「ありがとう」とお礼を言う
体型も変わらない双子の自分達は未だに共通のクローゼットでどちらの服だとかの区別無く自由に選んで共同で着ている。
お互いが好きなように買ってくるのだがどちらが何を着てもいいというのは以前からの習慣だった
「知ってる? これね、特殊な布で出来てるからさ、紙ほどは弱くないんだけど 液体で溶けてきちゃうんだよね」
嬉しそうに話す弟の思いがけない言葉にキャスケットは、はぁ!? と目を剥いた


「これ。同じ材質で出来た、布。」
見本だよ、とばかりに 目の前に黒い布が広げられる
不安げに見る兄に にこりと楽しそうに笑った弟は、ポケットから取り出したスポイトを目の前にかざした
「まずは、普通の水。」
ぽとぽとと数滴、布の上にスポイトからの滴りが落とされる
目の前で濃い色に染まったそのシミは 予想に反して何の変化も起こさない
「ふふっ・・・ 安心、した? でもね。目に見えて溶けるわけじゃなくて。」
にっこりと笑顔のシャチが手を伸ばしてその布に触れる
弟の指が、キャスケットの目の前で しゅっ、と軽く濡れた箇所をなぞった

「あっ」
思わず、口をついて声が出る
本当に 軽く、指で触れただけなのに 黒い布には小さな穴が ぽつりと開いた
「ね? 少し擦れただけで破れちゃうでしょ。表面上無事なように見えても、繊維と繊維の隙間が緩んでしまっている」
あくまでも楽しそうな弟が、わざわざ広げた布を手に取りキャスケットの方へ放る
意図が分からず、戸惑いながらも受け取ったソレは 濡れて穴の開いた箇所以外はごく普通に見えた
「手触りも 普通の布と変わらないでしょ。 ね、何が言いたいか分かる?」
質問されて、ごくりと唾を飲み込んだ
弟が こんなにも回りくどく説明したということは、自分が今 身につけている物のどれかがこの布で作られて・・・いる?
彼が何を買ってクローゼットに突っ込んだかなんて注意して見る習慣が無かったから、この服がいつ増えたものか覚えていない
「どこに使ってあるか、当ててみる?」
そう言われても、迂闊な事を言ったら 酷い目に遭うのは自分なのだ
身を引くようにしながら ぷるぷると首を横に振る兄を見てシャチは無邪気に笑う
「最初っから降参しちゃうんだ? それじゃ、つまんなくない?」
何と言われても、今 首を縦に振るわけにはいかない
外れた答えを言ってしまった時の事が恐ろしくて キャスケットは誘導に引っ掛かるもんか、と気を引き締めた
「くすくすくす・・・そんなに警戒しなくても いいのに。 ねぇ?お兄ちゃん、こんなに天気もいいんだから 外を歩かない?」
「絶対、行かない」
嫌だ、と強固に首を振る兄の腕を 弟の手が掴む
「外もいやなの? でも、当てっこも嫌なんだよね?」
駄々をこねる子供に言い聞かせるように、困ったね、と弟は溜息をつく
ふふ、と忍び笑いを零した弟は 行かないと断った兄の顔を覗き込んだ
「外が嫌なら、ベッドに連れ込んじゃうけど。それでもいいの?」
いいのかな。お兄ちゃん、その方が好きだもんね。
それとも、外の方がいい?と聞かれて、キャスケットは唇を噛んだ
「・・・ベッド、が、いい。」
嫌々ながら言わされた言葉に弟は眼を細めて兄を見つめた
「ベッドで僕に好きにされちゃうのが、いいんだ? ねぇ。そうされたい? あちこち、弄られてもいいの?」
嬉しそうな弟の目は 言わなきゃ外だから、と告げている
「・・・好きにすれば」
俯いて答えたのは、顔を上げれば 反抗的な目だと文句をつけられるのが分かっているからだ。
「ん〜・・・ どうしよっかなぁ」
ちゃんとお願いすれば 目を逸らしてるのくらいは大目に見るけど? と言われて、ぎゅっと拳を握りしめる
「好きに、して、下さい」
ようやく絞り出した言葉で "じゃぁ、行こうか" と差し出された手を 震えるキャスケットの手が握った



「全然予想がつかないの? それじゃ、答え合わせしていこうか」
それでも、寝室に連れ込んで兄を横たえる弟の手は優しかった
(・・・嫌われているわけじゃない。 憎まれてるわけでもない。 ただ、愛情の表現の仕方が歪んでいるだけ)
自分達の関係は、いつからこんなにひずんでしまったんだろう
――はじめに、組み敷かれた時に もっと抵抗するべきだったのかもしれない
散々泣いて暴れて逆らった・・・・つもりだ
(でも、最後まで奪われてしまったのは、)
一線を越える前に、シャチは僅かに躊躇したように見えた。
それまでの抵抗で体力が残っていなかったとはいえ、あの時死ぬ気で逆らったら彼も断念したのかもしれない
・・・自分の諦めるのが早かった。 それまでの抵抗も、どうしても シャチを本気で殴る事ができなかった
それが余計に彼を激昂させたと思う
弟の蛮行は、"いつまでも庇われる必要はない、ちゃんと、自分を認めろ" という彼の意志の現れのようにも思える
この関係は、自分のせいだと キャスケットは考えていた
(ごめん・・・ね)
頭上に引き上げた腕を縛られながら、キャスケットの脳裏に浮かんだのは謝罪の言葉だった


「本当は いくつか予想がついてたんでしょ?」
手のひらに、水を落としながらシャチが話す
ふふ、と笑った彼が最初に濡れた手で触れたのは、キャスケットの胸の上。
濡れたシャツが体に張り付く感触に眉を顰める
「まだ 濡らすだけにしておくから、 勝手に破いちゃ駄目だよ」
体のラインをなぞりながら 下に降りてきた手がベルトのバックルに掛かった
「下だけ、脱がすから。 あぁ、下着はつけたまま。」
「・・・・・。」
予想通り、下着はあの布製のものらしい
ジーンズが足から脱がされていくのを、大人しく従う
「・・・・ん、」
唐突に伸び上がった弟からのキス。
ゆっくりと口内をかき回し、舌の付け根までを擽るようになぞっていくその動きは、もうすっかり慣れた感触だった
いつもよりも長く時間をかけて、ねっとりと与えられる感覚に自然と息が上がる
一旦離れた唇は そのままキャスケットの薄い唇を柔らかく食み、緩んだ隙間からまた熱い舌が侵入する
「下は濡らさないから。 破れないようにがんばってみたら? 大丈夫。 濡れない限り、普通の布と同じ強度はあるから。」
「え・・・・?」
ぼんやりと 先程の舌技で蕩けかけた脳が警鐘を鳴らす
"濡らさない" ・・・って・・・言った?
キャスケットの理解が追いついたのを見てとったシャチが にっこり笑う
「がんばってね♪」
応援の言葉と同時に 首筋に唇が触れる
「っちょ、待っ・・・! ゃ、・・・・っあ!」
嫌がればそれだけシャチを喜ばせるだけだ
だからって 抵抗しなきゃすぐに彼の思うままになってしまう
「好きにしていいって言ったよね?」
楽しそうにそう言うシャチの指は憎らしいほど的確に自分の弱いところを探り当てる
当然だ。 キャスケットの体を開発したのは彼なのだから
「でもっ・・・や、許して!」
カリ・・・と胸の尖りを噛まれて、んんっ、と声が漏れる
すでに水を含んでいた布は弟の歯に引っ掻かれて 無残にも破れてしまう
咥えたまま舌で転がされていては それを気にする余裕もなく、仰け反ったキャスケットの震える足先がシーツを掻いた
「だ、め・・っ」
キャスケットの訴えを無視してシャチの手が逆の胸を引っ掻く
肩を押しのけようにも最初に縛られてしまった腕は動かしても括ったベッドのフレームを軋ませるくらいしか出来ない
与えられる刺激を少しでも逃そうと蜿くのに いくら身を捩っても熱は身体に溜まる一方だった
「着たままって余計に恥ずかしいよね。ふふっ・・いやらしく起ち上がったとこだけが露出してるのって、どんな気分?」
答えずにいると、"ここの事だよ" と両方を一度に爪で潰されて キャスケットの痩身が跳ねた
「まるで 弄って欲しくて 自分で出してるみたいだね」
「・・っふ、う、」
痛みにじんじんする胸を 今度は優しくこねられて 無意識の吐息が漏れる
「気持ちよくて何にも考えられないのかな」
くすくすと笑う弟の声が 痺れてうまく働かない頭に緩やかに届く
――シャチの機嫌の良い声は好きだ
内容が耳に入っていないキャスケットが ほわりと微かに笑う
こんな状況なのに、端から見れば 微笑んで見つめ合う仲の良い恋人同士にしか見えないのを 2人とも意識していない
くちゅ、と下着の中に入ってきたシャチの手がそこに触れて キャスケットは甘い声で啼いて腰を揺らした
「ほら、こんなに濡れてちゃ、隠したいところが全部見えてしまうよ」
酷く恥ずかしい事を言われているはずのキャスケットは くちゅくちゅと先端を弄る指に思考を掻き回されて
甘えるように喉を鳴らした
それまで放置されていたくせに 与えられる刺激を拒む術の無かった性器はすでにたくさんの涙を零していた
触れられた事で意思を裏切って快感を追い始めたそこからの蜜で 包み込むシャチの手も濡れている
「破いてしまいたい?」
腕の拘束を外しながら耳元で囁く声に何度も頷いて、キャスケットは声を上げて弟にしがみついた

すきに、して

それは はじめに言った 嫌々ながらのものと違って、本心からの言葉だった






 望むものは不幸か幸福か


"お兄ちゃんが欲しがるから 与えているんだ"
縛られたいと望んで捕まったのは たぶん 2人とも










ネコが2匹絡み合っているようにしか思えないのですがw 攻め側の言葉使いをソフトに無邪気系に
するとどうしてもそうなりますよね。言葉ぜめは無邪気な方が意地悪。同じ理屈で無邪気な黒キャラ、
大好物です。そういえば黒ルフィも好きでした。天然無邪気Sってとっても美味しい・・・!
この話、「使い捨て下着」が百均で売っていた、という話から妄想したものです。なんで使い捨て?→
1回使用したらゴムが伸びるとか?あ、それとも洗濯できない→洗濯に耐えられない→水に溶ける
→それはものすごく別の用途がありそうだ。  いつもどおりの些細な事からおきた妄想でした。


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