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SS置場2
午睡1 P
ついったーでTさんと眠いねーと話してた時のベタシチュを短いSSSに。2つ目のローバージョンのが長いかな?
ペンのは ほのぼのがいい!というTさんのリクでほのぼのめのSSSです。







Ver.P(学パロ)

ふぁ
休み中の宿題を片付けているはずのキャスケットの口から欠伸の音が聞こえる
眠気に負けて活動を続け難い脳に酸素を送り込む行為だから、これを責めるつもりはない
キャスケットが、勉強に付き合わせている俺に悪いと必死で睡魔と戦っているのが分かるから尚更だ
"一人でやってると眠っちゃうかもしれないから、これから勉強するなら一緒にしない?"
わざわざ電話を掛けてきたキャスケットに二つ返事でOKをして、彼の部屋にやってきてノートを広げたのが2時間前。
親戚が集まっての法事とその後の飲み会に付き合わされてあまり眠っていないのはキャスケットには内緒だ
一晩くらい眠ってなくても起きていられる体力はあったが、夕べは興に乗った親父どもに 無理矢理酒に付き合わされた
未成年にお酒なんて・・・と止めるはずの母親は昼間の段取りと父方の親類相手の疲れで日付が変わる時分にはダウンしていて、
適当に躱しながら晩酌に付き合っていたのだがなかなか放して貰えず朝方解散になった頃には潰れる一歩手前だった
漸く眠って数時間後に電話が掛かってきた時点で酒のニオイが抜けていただけでも儲けモノだ
折角の、夏休み中で普段ほど会う機会のないキャスケットからの誘いは二日酔いの気分の悪さを吹き飛ばした

ゆら・・・と睡魔と戦うキャスケットの頭が揺れる
これはもうじきダウンするな、と見ているうちに、懸命に努力していたキャスケットの頭がゆっくりと前に傾いて、
ぽとりと彼の腕の上に落ちた
すぅ・・・すぅ・・・
キャスケットの喉から 穏やかな寝息が規則正しく繰り返される
(起こすのはもう少し後でもいいだろう)
気持ちよさそうに眠るキャスケットを起こすのに忍びなくて、というのが言い訳だと自覚しながら彼の寝顔を眺める
こういうときの彼は本当に幸せそうな顔をしている
その顔を、勉強があるからと壊したくなかった
もう少し 彼の寝顔を眺めていたかった
(目が覚めたら 勉強をみてやるから)
少しだけ。 ・・・ほんの、少しの時間。
意識のない彼を 自分だけが見守る時間を享受していたかった
髪を撫でたら起こしてしまいそうで その誘惑を抑え込んで 寝顔を眺める
規則的なリズムで繰り返される穏やかな吐息すら幸福そうで 見ているペンギンの口元にも自然と笑みが浮かぶ
(できることなら、このまま寝かせてやりたい)
あと5分したら起こしてやろう、そう決めて 眠る彼の顔に見入った





「・・ん・・・」
なんだか、たっぷりと睡眠を取ったような気がして キャスケットは ぱちりと目を開けた
倒していた頭を起こしてみれば、まだ昼間だったはずの時計は夕刻に近い時間を指している
(あれぇ・・・? 俺、なんでこんな時間まで、)
そこで、同じく目の前につっぷしている人物に気付いた
「・・・・あ。」
そうだ。 ペンギンに、勉強付き合って貰ってたんだっけ
どうやら二人して睡魔に負けてしまったらしい
(うっそ!?ペンギンが途中で眠っちゃうなんて、めっずらしい!)
キャスケットの立てた音や うっかり漏らした声にも目を覚まさず つっぷしたままだ。
(ペンギンが、熟睡? 珍しすぎる!)
「もしかして疲れてたのかなぁ」
誘って悪い事しちゃったかな
そう思って眺めてみれば、いつも小難しそうな顔で眠るペンギンが 今日はものすごく穏やかな顔をしている
しばらくペンギンの寝顔を眺めていたキャスケットは くすっと小さく笑った
疲れてたとしても、これだけ幸せそうな顔で寝てるんだから、うちに来て悪かったってことないや。
「おまえは勉強が溜まってるって事ないだろ? 目が覚めるまでここで眠ってなよ」
そっと頭に手をやっても、ペンギンの起きる気配はない
起きた時に目を丸くするだろう彼を想像して くすくすと笑いながら、それまで勉強を進めておこうと キャスケットは閉じていたノートを開いた




 午睡2連−その1




でもこの2人はまだ付き合ってはいない。ベタに幼なじみとかだろうなぁ


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