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SS置場11
独占夜 C
あー。やっと書き終わった!4日くらいかけてちまちま書いてたので雰囲気が統一できてない気がする(ダメじゃん
ヤってるだけSSです。それしかない(でもエロさは無いんだよなー) あっ!拍手ありがとうございました!







競り上がる射精感に身体の奥が収縮する。
息がうまく吐けなくて、は、は、と短く呼吸を繰り返しながら、乱れてぐしゃぐしゃのシーツを握り締めた。

今のペンギンは四つん這いの獣スタイルで恋人の猛りを受け入れている。
シャチとの夜はその時の気分次第で全く違う。
甘くじゃれあいながら愛を交わす時もあれば今夜のように激しい絡みもあった。
"こういう時のセックスはしつこい"

幾度も身体を重ねてきたお陰でそのくらいは学習している。
激しい突き上げで早々に果てたペンギンの息も整わぬうちにひっくり返され、文句の声を上げるかどうかの刹那で背中に
覆い被さる体温を感じた。
それまで男を受け入れていた腰だけが引き上げられ、あまりの格好に慌てて手をついて起き上がろうとしたところへ突っ込まれる。
楔を打ち込まれてしまっては逃げ切れない。
それどころか、まだ熱も冷め遣らずにひくつく其処は 戻ってきた質量をきゅっと食い締めた。
「んっ!」
一気に最奥まで押し込まれた熱が引き抜かれる感覚に声を上げて仰け反るペンギンの腰をするりと撫で上げた手は そのまま
腹を滑って胸まで辿り着く。
「んんんっ!ん、」
先程の交わりで既に感度の上がっている粒をくにくにと捏ねられ、ぐずるみたいに身を捩って悶える。
二度目をスルにしても少しは休憩させろという文句は一瞬 頭に浮かんだだけで霧散した。
どこが弱いかなんてとっくに把握している相手に煽られては堪らない。
鎮まりきらない身体に火が着くのもあっという間だった。
(あ、あぁ、あ・・・っ)
ペンギンが観念したのを悟ったシャチがそれまでと動きを変える。
一旦深くまで繋がったソレを抜けるぎりぎりまで引き出したかと思えば今度はくちゅくちゅと浅い場所ばかりを行き来する。
焦らすつもりなのかペンギンの腰が深い結合を求めて揺れても奥までは来ない。
(い―…かげんに、しろッ)
やるならもっと思い切り・・・と文句を言いかけて口を噤む。
それじゃまるで自分から強請っているみたいだろうがと流されてしまった自分の緩さに舌打ちしようとして、
「ふぁっ」
背中に感じた唇に思わず声が漏れた。
ちゅ、ちゅう、とペンギンの背を転々と辿るシャチの唇が吸い、舌が擽る。
背骨に沿って上がってきた彼が肩口に噛み付くと同時にズン、と奥まで押し込まれた。
「っァ!」
先ほどから焦らされていたせいで ペンギンの中はその質量を嬉しそうに締め付けて更に奥へと誘い込むように蠢動している。
ゆっくりと始まった抽送を待ち望んでいたように吐息が漏れた。
受け入れることに慣れた身体はペンギンの意志など関係ないと勝手に快楽を貪り始める。
それは、シャチの動きが激しいものに変わっても同じだった。
むしろ一層官能を味わおうとひとりでに収縮を繰り返し、ペンギンはそれが与える感覚を堪えきれずに喉を引き絞って身悶える。
噴き出した汗が光る肌は快楽の色に染まり、突き上げに合わせていつしか揺すっていた腰がブルッと震えた。
身体の芯がきゅうっと引き締まる。
完全に甘い快楽に支配されたペンギンが理性を捨て絶頂に向かう刺激を貪り始めたのを見計らったかのタイミングで後ろから
伸びてきた手が吐精を阻んだ。
「ァ、や、シャチっ」
放せと告げる前にまるで抉るように激しく打ち込まれて腕が折れた。
がくりと沈んだシーツに顔を押しつけてブルブルと震えながら声を上げる。
「イ、かせて、くれっ」
息も絶え絶えの訴えを恥ずかしいと思う余裕もなく、イきたいとせがむペンギンの頼みをシャチはあっさり却下した。
「だァめ。もっと俺を感じてよ」
ペンギンが大好きだって言ってるの分かる?と更に腰を押し付ける。
胎の中で暴れる塊の存在なんて言われなくても十分感じている。
ギシギシとベッドが軋むほど激しい突き上げに声にならない悲鳴を上げて悶え狂うペンギンのどこを見れば感じ足りないと思えるのか。
ひぃひぃと喉を絞っていたペンギンはシーツを握り締める自分の指に噛み付いて快楽に耐えようとした。
だがそれもひっきりなしに漏れる嬌声で閉じられない口では意味をなさず、徒に手を唾液まみれにしただけだ。
(イキた・・・、も、だめ、だ・・・ああ、あ、・・・っ、イク、いっ・・・)
ガクガクと揺さぶられ突き上げる射精感に目の前が真っ白になる。
身体の中には今にも弾けそうなほど火照りきった疼きが渦巻いていて、なのに、出口は塞がれ到達できない苦痛にのたうった。
「ぁ、も、あァ、・・・シャチ、しゃちッ、しゃちっ!」
全身を揉み絞りながら狂ったようにシャチを呼んだ。
さっきから細かな痙攣を繰り返している身体が壊れて分解してしまいそうだ。
「あああっ、ああ!」
胎内が一際激しく収縮する。目の奥で白い火花が弾け、同時に、せき止めていた手が外れた。

「――――っ!!」
何もかもが飛び出してしまいそうな激しい放出にがくりと力の抜けたペンギンがシーツに沈む。
何度も痙攣しながら荒い呼吸を繰り返すペンギンの汗に濡れた髪をシャチの手が掬った。
涙の溢れる目元、汗の光る額、頬に零れた唾液を拭いながら 顔中にキスが降ってくる。
限界まで耐えた後の絶頂の余韻がまだ引かないペンギンの身体はその度に小さく痙攣したが、熱が徐々に治まってくるにつれ、
それを味わう余裕が生まれる。
こうして事後に施されるキスは妙に安堵を誘い、同時に眠気が襲ってくるのが常だ。
とろりと瞼の下りかけたところへ、ぢゅっ、と耳元に強めのキスがきた。
「あ、コラ。そんなとこに跡つけるなって・・・」
「おまえの帽子ならかぶってりゃ大丈夫じゃん」
背後から抱き締めてくる恋人はあくまでも悪びれない。
「ったって、脱げないじゃないか。シャワーの時どうするんだよ」
髪で隠れるだろうかと思案するペンギンの言葉の後、シャチの声が一拍遅れた。
「シャワーは、無理かもね」
「?」
なんのことだと訝しむペンギンの背を、つ、つ・・・っとシャチの指がなぞった。
くすぐったいな、と眉を寄せたペンギンが、がばっと跳ね起きる
「背中っ?!」
「せーか〜い」
きれーに跡ついてるよと答えたシャチがその背中にぺたりと張り付いた。
(また、やられたっ)
苦々しい思いで溜息を吐くペンギンを諫めるように抱き締める腕は温かい。
このところ雑事で忙しかったから、全く恋人に顧みられなかったシャチは密かに拗ねていたのだろう。
時折こうやって独占欲を爆発させるのだ、この厄介な恋人は。
(別に浮気したわけじゃないだろう?仕事で忙しいのは分かってるだろうに)
だがシャチならば「おまえの浮気相手は"仕事"だ!」くらいは言ってのけるかもしれない。
でもこれで妬かれなかったらなかったで逆にペンギンの方が不安になるような気もする。

――つまるところ、こいつの独占欲が嫌じゃない時点で同じ穴の狢なんだろうな

首だけを捻って背後のシャチを見る。
それだけで、ペンギンから赦されているのだと理解ってしまうツーカーの相手はこの船ではシャチしかいない。
「ごめんな、ペンギン。愛してる」
謝罪と求愛を一緒にするなと思わず笑ってしまった唇に、彼からのキスが降りてきた。






 独占する夜





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