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SS置場11
義父1 C?
うわ〜ぁ、残業続きで書く暇全然ない!途中ですが書けたところまでUPします。








「おっは〜ペンギン!起床の時間だよー!爽やかな朝の挨拶を返してちょ〜〜〜だい♪」

語尾にハートマークでも付いていそうな調子の良さで声が飛んでくる。
うららかな朝の睡眠を貪っていたペンギンは ハッと意識を呼び覚まされた瞬間、慌ててベッドから飛び出した。

同時に さっきまで頬を預けていた枕を扉に向けて繰り出す。
ぼふっと枕のぶつかる音を聞きながら、どうにか惨劇は回避できたかと胸を撫で下ろした瞬間、シュッと
目の前に現れた笑顔にぎくりと足を止める。
ちゅうぅ〜〜〜っと音がしそうな程濃厚なキスが施され、ペンギンの声にならない悲鳴が頭の中で響き渡った。
ついでに両腕の上から力いっぱいのハグは暴れて逃れる術すら封じている。
剣道部に所属する現役高校生を押さえ込むのだからその絞め技(ペンギンにとってはこれはもうハグではない)は
相当なものだ。
ちゅっ、と濃厚だった割には軽い音を立てて唇が離れる頃には、魂も抜けたような心持ちで怒りをぶつける気力も
沸かないのが常だ。
いや、勘違いしてもらっては困る。
朝の挨拶はあくまでも口ではなく頬だ。これが口だったら多分ペンギンはあまりの無体に憤死している。
ただ、ぎりぎりのラインで頬にくるキスは下手に逃げれば何かのはずみで唇にぶつかりかねない。
そんなことになったら家から追い出してやると考えているものの、"ペンギンが動くからだろ、事故だよ事故!"で
押し切られるのは目に見えてる。
(ったく・・・どこがよくてこんなのと再婚したんだか!)
自分の母親から見れば子供と変わりないほどの青年が我が家にやってきたのは半年前。
ペンギンよりほんの少しだけ年上の、シャチと名乗った青年は亡き父の残した事業を継いで海外で働く母親が
息子の知らぬ間に再婚した相手らしい。
母からの手紙を携えてやってきた彼は外国暮らしが長いのか、自己紹介を始める前に初対面でいきなり
ペンギンを抱き締めた。
シャチ曰くハグだというそれに驚いて投げ飛ばそうとしたペンギンにその余裕を与えず身を離したと思ったら
チュッチュッと両の頬に唇をくっつけ、あり得ない展開に絶句するペンギンに、にかっと輝く笑顔で"これから
家族だからヨロシク"と言い放った。
頭のおかしな奴が来たのかと思ったペンギンに彼が差し出した手紙は間違いなく特徴ある母親の筆跡だったが
こんなもの信じられるかと時差も考えずかけた電話は恐ろしく不機嫌な声での内容の肯定で、不承不承、母親
不在の家に迎え入れた。
どうやら寝入り端を叩き起こしたらしく、正気かと問い詰めたかったペンギンの意思をくじくほどの低音ヴォイスで、
おまけに最後には"父親なんだから冷たくしたら赦さない"と釘を刺して通話は切れた。
これはシャチを追い帰しでもすれば逆に家を追い出されるのはペンギンの方だと母親の性格をよく知る息子としては
即座に理解し現在に至る。
記憶に残る亡き父親とは180度というくらい違うこの青年とどこをどうしたら結婚などという結論が出たのか。
次に母親が帰国したら必ず聞き出して文句の1つも言ってやる。
普段以上の仏頂面で着替えを済ませたペンギンは毎朝の目覚めの惰眠を妨げられる不満をぶつける決意を
今朝も新たにしながらダイニングへ向かった。


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あきゅろす。
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