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SS置場11
再会4 L
ああああ 寝オチてたぁ−− なんだか中途半端なところで寝オチてたので途中で切ります。
そしたら変な引きが出来たみたいになちゃったw







「今度家まで遊びに行くからそのアンドロイドが家に居る時を教えろよ」
面白そうだから話してみたいとペンギンはあくまでも興味深そうだ。
家に呼ぶのはいいけど話しても別に楽しかねーぞというシャチの忠告も大して気にしていない。
話しててムカつくのはおまえに隙があるからだろという主張を実証してみるつもりらしい。
なんだよ、おしゃべりならペンギンより俺の独壇場だろがと思いながらも口数の差はあるとはいえ確かに上げ足を
取られる確率はシャチの方が圧倒的に高かった。
別に脊髄反射で口に出しているわけじゃないのだけど、あ、これはもしかして突っ込まれるかもと思った時にはもう
声になった後だ。
(それに・・・)
最近はこうして友人に言うほどの衝突はない。
もちろん、口論めいた会話はあるが それもどちらかと言えば今のようにペンギンと交わす軽口の応酬みたいなもので、
自分でも懐柔されちまったかなと思う。
あの会話以来、ローのこれまでの経歴が気になっていた。経歴…と言うよりも、要するにシャチは彼の過去が気に
かかるのだ。
ペンギンと話をする事でローは少しでも昔のことを明かすだろうか。
友人に尋問術を期待したわけでもなかったが、ローがいる時にペンギンを招いたのは自分と話す時と違う会話の流れで
過去の片鱗が見られるかなというちょっとした興味からだった。





2人を引きあわせて "こいつがダチのペンギンで"と言った時点で雰囲気はよくなかった。
「知ってる」
短い一言でバッサリとやられては話の接穂がない。
いつもめげないシャチが流石に一瞬言葉に詰まったのを考慮したのか、そのまま口を噤むかに見えたローが、
"初めに一緒のところを見てるし、てめえの話に一番よく名前が出てくるのがそいつだ"と付け足した。
(どうする、ペンギン。今日は機嫌悪そうだけど)
(だから、ないだろ。アンドロイドに機嫌の良し悪しなんて。そもそも声潜めてても聞こえてるだろ、この会話)
隣に立つ友人に今日は止めとけよと言うのにペンギンは聞かない。それどころか、彼は
「なぁ、聞こえてるんだろ。こいつん家に入り込んで、何が目的だ」
なんていう不穏な台詞を言い出してシャチをギョッとさせた。

「ちょ、おまっ・・・何言い出すんだよ!」
ずいっと更に前に出そうな友人の肩を掴み 引き戻そうとするシャチを顧みず、ペンギンは真っ向からローと
対峙する姿勢を崩さない。
「だいたいお前は暢気過ぎる。"懸賞に当たった"わけじゃないのは自分が一番知ってるだろ」
振り返りもせずにそう言うペンギンの目は油断なくローを見据えている。
「いや、だから!俺だって馬鹿じゃねーよ。うちの口座を弄った跡もないし何かが無くなったりもしてないって」
一応そんくらいは確かめたよ!というシャチの主張も、それくらい当然だ、基本中の基本だろうと相手にもされない。
「だいたい、これだけの期間一緒に暮らしていてそれも聞き出せていないんだろう? のらりくらりと誤魔化すだけの
理由があるんだ」
そうだよな?という最後の一言はローに向かって放たれていた。
「何もしちゃいないさ。そいつだって確かめたと言ってるだろ?」
片目を細め、ペンギンに答えるローは面白そうな顔をしていた。
と言ってもローの場合表情はあまりアテにならない。寧ろ、最初に機嫌が悪いように感じたのは彼がペンギンの
突然の訪問を警戒していたからかもしれない。
「でも、何かしただろう。現に、このところシャチの様子がおかしい」
えっ!とシャチが両の目を見開く。
友人が妙に訪問に乗り気だったのは自分の様子がおかしいと案じてのことだったのか。

「や、待てよペンギン。俺べつに何もされてねーし、どっこも変じゃねぇよ?!」
「嘘つけ。それとも自覚がないのか?よく考えろよ、こいつはおまえを追ってこの家に来たんだぞ」
こいつは、と指さされたローは無言で2人の遣り取りを聞いている。
彼はペンギンの疑いなぞ気にもならないのか、弁明する様子も否定を唱える気配もなかった。
・・・当然だ。 ローには、本当にペンギンが言うような目的なんかないのだから。
「何か目的があるはずだろ。狙いはおまえかもしれないんだぞ、シャチ」
「だからッ、違うって!」
語尾の強さに思わずペンギンが息を飲み込む。
自らの声の大きさに、シャチは自分でもムキになって否定しているのに気付いて一度言葉を切った。
再び口を開いた時には 先程の勢いの反動か、唇が紡ぐ言葉は妙に静かな口調になっていた。




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あきゅろす。
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