[携帯モード] [URL送信]

SS置場11
帰船後 C
そのものの描写はありませんが過去にモブペンが前提にありますのでご注意下さい。






「ペンギン。なぁ、ペンギン」

同室のクルーに揺り起こされる。
今夜も、ペンギンは夢に浮かされシャチが気にするほど魘されていたらしい。
悪夢・・・とも言いがたい夢に夜ごと襲われるのは 以前島で経験した事がすっかりペンギンの身体を
変えてしまったからだ。
相手はペンギンの素性を知っていたわけではなかったのだろう。ただ、島から島へと旅をする人間で、
時期が来ればそこを出て行く旅行者だと認識していただけだ。
用済みになれば売り飛ばそうという性質の悪い輩ともまた違う。
愉しむだけ楽しんで後腐れ無く済ませるには一時の滞在という旅行者は最適だと割り切っているだけの
チンピラに過ぎなかった。

だから、出航の日にはすんなりとペンギンを解放した。
楽しかったよとまるで一夏の遊びを共に過ごした期間限定の恋人に言うように別れの言葉さえ告げた。
そこに同意なんかなかったのに。
まるっきり、そんな男達を相手にする気なぞなかったペンギンにどっぷりと受け入れる快楽を教え込んで、
後の事は何も気にすることなく放り出した。

船に戻るなり崩れ落ちるように寝込んだのは三日三晩まともな休息を取れずにいたからだ。
ノン気の体に初めての快楽を過剰に与えられ、体力の限界を越えて意識を手放してもまだ身体を貪っていた。
一度気を失った後は最悪だった。
いくらペンギンが強固な意志を持っていても泥のように眠っている間は理性なんか働いちゃいない。
素直に甘い声を上げ、与えられる刺激に喘ぐ自分の嬌声を BGMでの目覚めに驚愕するいとまもなく、
起きたと分かった途端に挿入される。ペンギンが受け入れるセックスで快感を覚えるようになったと分かると
次に待っていたのは焦らされる地獄で、前を塞がれ達せない状況で何度も空イキさせられた。
意地を張る余力も根こそぎ奪い、ぐちゃぐちゃの快楽の中でイきたければ自分で扱けと言われて素直に従う。
日々、鍛えたペンギンの身体は体力もあり締まりも良く今までになく愉しめる獲物だったらしい。
手放すのが惜しいくらいだと絶賛した彼等の港近くまで送るというサービスがなければ出航までに船まで
辿り着けたかどうかあやしいくらいにくたくたの体で、部屋に帰り着いた途端に倒れこんだのだ。

同室のシャチが心配するのも当然だろう。
彼の前でこんなに疲れ切ってぐったりとした姿を見せるのは覚えている限り初めての事かもしれない。
それに続いて眠るペンギンが時折魘されるとくれば彼の心配も尚更だ。
"夜ごとに訪れる夢は欲求の満たされない体が発している"
自分の事だ。ペンギンもそれはよく分かっていて何度か自己処理もしてみた。
だから溜まっているはずはないのに、身体の奥が足りないと疼く。
夢に現れているのはその不満なのだろう。
揺り起こしたシャチの顔を見る。
理由は分かっているから心配するなと言っても、その理由を言えないのなら余計な心配を増やすだけだ。
「ああ・・・。悪い、うるさかったか」
自分の呻く声で起こしてしまったかとわざとズレた事を言ってみると、シャチの顔が更に曇った。
"そういうことじゃなくて・・・"と言いたげなシャチが、小さく息を吐いてそれを飲み込む。
「あのさ、ペンギン」
事情は聞かないけど、ちょっと俺につきあって?
迷う素振りを振り切ってシャチはそういうと、ペンギンの手を取ってベッドから抜け出させた。


「・・・どこへ行くんだ?」
「シャワ−」
そのまま部屋を出ようとする彼に従って歩きながら聞いてみる。
思ったよりあっさり返ってきた返答は短い単語で、寝汗でも掻いていたかと訝ったところで目的の場所に着いた。
「こんな深夜にシャワーか?」
「いいから入れって」
意図が読めなくて聞いてみた軽口は歯牙にも掛けられずに中へと押し込まれる。
衣服を取らなきゃそのままシャワーでもぶっ掛けられそうな勢いに圧されて 理由の分からないまま裸になり
シャワーブースに向かう。
汗を流せば魘されることもなくなるとでも言いたいのだろうか。
とにかくここまで来たからには湯を浴びるかとシャワーを出したところへ、遅れてきたらしいシャチが割り込んできた。

「おい、何だ」
2人で入るようなスペースはないぞと言葉を続ける前に距離を詰められる。
頬に息が掛かるほど間近に迫ったシャチの顔は近すぎて焦点が合わなかった。
「ペンギンは気付いてないかもしれないけど」
ひたり、と背中に回ったシャチの手が少し汗ばむ肌に触れる。
「魘されてるにしちゃ、色っぽすぎるんだよ。おまえの声」
そのままスッと背を撫で下ろした手の感触にぞわりと皮膚が粟立った。
「見当違いならこのまま俺をぶっとばして戻っていい。けど、もし、ペンギンが困ってるなら」
何も言わずに俺の思うようにさせて?
事情は聞かないと最初に言ったとおり、シャチは一切尋ねる言葉は口にせずに、突然の流れに態度を
決めかねているペンギンに口付けてきた。




「ん、シャチ、おまえ、」
ヘテロのくせにこんなこと出来るのかよという疑問が浮かぶ。
ペンギンと同様、彼も島では女ばかりを相手にしていた。
胸の大きな女が好みで 酒場でもシャチが声を掛けるタイプはペンギンも熟知している。
なのに、今はたわわに実る乳房もなければ柔らかさもないペンギンの肌を吸い、さわさわと身体をまさぐっている。
「ぅ、あ・・・!」
直に性器を握り込まれて仰け反った。
刺激に反応して半勃ちのそこが直接与えられる愛撫にみるみる硬さを増していく。
ちゅ、と厚みのある胸板に軽くキスを落としたシャチの舌が堅く尖り始めた小さな粒を捉えた。
「・・・ッ、」
あの島での3日間ですっかり性感帯と化してしまったそこは、さりさりと舌で舐められただけでじわんと
下半身に甘い痺れを伝えてくる。
息を詰め快楽を逃そうとするペンギンの腰をシャチの手が撫で、その下へと滑っていくのを いつしか
心待ちにしていた事に気付く。
(う、そ・・・だろ。まさかそこまで、)
こうして愛撫を受けてはいても、女とばかり寝ていたシャチがその先へは進めないだろうと考えていた。
なのに、彼の指は躊躇うことなくペンギンのそこを捉えた。

「あ!・・・っふ、ァ、」
前から流れる先走りの蜜を絡め、湯の滑りも借りたシャチの指がむにむにと其処を揉み込む。
ぁ、あ、あ、とシャワー室に籠もった声が漏れ響く。
スイッチが入り、敏感になった状態でそこを触られては抑えが利かない。
んん、んっ、とシャチの肩口に顔を押しつけて何とか声を潜めた。
だけど走り出した身体はもう止まらなくて、無意識のうちに刺激を求めてゆらゆらと腰が揺れ動いてしまう。
拒んだり彼の言うようにブッ飛ばして逃げる余裕なんてどこにもない。
それでなくても不満の溜まっていたペンギンの身体は嬉しそうにシャチの指を迎えて喰い締めている。
「しゃ、ち・・・っ」
駄目だ、無理だ、抑えられないと言葉を話す余力のなくなったペンギンは首を振って訴えた。
立っているのが辛くなっていたペンギンは気付けばシャチに縋り付く格好で掴まっていて、そのペンギンの片足を
シャチの腕が掬い上げる。
「ペンギン。顔、あげて」
思わず言葉に従って顔を上げた途端にシャチの唇が降ってきた。
深く合わせた唇に舌を絡め取られ、体内に籠もる熱に衝き動かされて彼のキスに応えた瞬間、柔らかさの増した其処へ
熱い塊が埋め込まれていた



 *  *  *



「立てるか?ペンギン」

達した後のすっかり力の抜けたペンギンは、ずるずると滑り落ちるようにしてへたりこんだ。
流れる汗をシャワーで流してくれるシャチのソレが目に入り、顔を上げたが湯気に遮られて表情が見えない。
ペンギンがイくと同時に抜かれたソレはまだ臨戦態勢のままだ。
少しずつ息が整っていくにつれて冷静さを取り戻した脳がシャチはコレをどうするんだろうとぼんやりと考えた。

「っちょ、ペンギン?!何すんのさ」
手を伸ばして触れるとシャチは大袈裟に飛び跳ね後ずさった。
何って、だって。こんな状態じゃシャチは辛いだろう。
そう思って手を動かせば頭上から呻く声が降ってくる。
「いいから・・・っ。ペンギンは、そんなことしなくて!後で処理すっから置いといて・・・」
逃げようとするシャチの足を捕まえ引き寄せる。
相変わらず湯気で顔は見えないままだが、声が快楽と我慢を伝えてきた。
どうやらペンギンの不満を解消するだけが目的でシャチ自身の欲は自分で処理するつもりのようだが、
ここまで育った熱を刺激されれば抗うのは難しいだろう。
何か考えがあったわけじゃなかったが、ペンギンは自然と顔を寄せていた。
ぴちゃ、と舌を這わせると 「ひ!・・・えっ!?」とシャチの驚愕の声が聞こえた。
こんなこと、するのはペンギンも初めてだった。
あの3日の間も 遊び慣れた男達はペンギンの身体を貪る事にだけ熱を注いでいて、不慣れであろう輩に
奉仕させるつもりはなかったのだ。

手で扱きながら舌先で舐め上げる。先端を指でくすぐり、べたりと舌を幹に這わせると面白いくらいに
シャチの性器が震えた。
気持ちいいと感じている様子に夢中になって舐めしゃぶっていると、荒く乱れた呼吸がペンギンを呼ぶ。
「ま、・・・って。ぺんぎ、・・・ヤベ、ちょ、もう止めっ」
髪を掴んでシャチの手がペンギンを離そうとしていた。
おそらく これ以上は我慢が利かないのだろう。
咥内に放出するのを避けようとするのに逆らっていつまでも口淫を続けていると、ぐっと口の中でシャチが
膨らむのが分かった。
「ダメだ・・・っ」
強い力で後ろに引かれ、ぼろりと口から零れたが間に合わなかったのだろう。
ぴしゃっと熱い液体が頬に掛かった。
それが顔射だと思い付く前に慌てたようにシャワーがペンギンの顔を襲う。
「わ!・・ぅぷ、」
むしろその方が息がしにくくて大変だったのだが、しゃがんで目の高さの合う位置にきたシャチの顔は
弱ったような困ったような表情をしていた。
「っもう!ペンギンの馬鹿。俺のことなんか放っといていいのに」
ごしごしと痛いくらいに顔を洗い流すシャチは本当に弱った様子だった。
ペンギンの欲だけ満たす事しか考えてなかったのだろう。
・・・男なんて抱いた事もないくせに。
相棒への心配だけでこんなことも出来てしまう馬鹿はどっちだ。
おとなしく顔を洗われているペンギンの目の前のシャチは泣きそうにも見える顔をしている。
(馬鹿、だなぁ)
優しすぎる相棒になんだか堪らない気持ちがこみ上げてきて、顔を前に寄せたペンギンは 目の前にある彼の口に
唇を押し付けた






 たとえばこんな始まりの夜






本当は島での3日間の妄想もあったのですがモブ姦を書いても誰も喜ばないしと書くのをやめました
似たシチュのペン受話はちょっと前にも書いたのですがシャチのをぺろぺろするペンギンと慌てるシャチが書きたかったんだーい



[*前へ][次へ#]

21/100ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!