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SS置場11
本音 P(+L)
校正どころか読み返す時間すらなかった!あとで直します






――なぁ。俺、ペンギンが好き。

誰よりも近くにいる相棒だと思っていたクルーはそんな言葉で告白した。
顔色ひとつ変わらない、いつもと同じ雑談を話す声で いとも簡単に。
見返すペンギンの方が驚きに声が喉に支えていたくらいで、彼がどのくらい真剣にそう言ったのかも分からない。
これが彼流の冗談だとしても頷ける程、その告白は軽く聞こえた。

おまえは、どお?

笑みすら浮かべた相棒が返事を求めているのだと気付いても実感が湧かない。
何を思ってそんな事を言い出したのかと考えながら、尋ねられた質問に答える為に ペンギンは口を開いた。








その日のハートの海賊団は上陸中の島の港に船を停めていた。
天気もよく、乾いた空気の中で点検を終えたバンからメンテに必要な部品や道具の補填リストを受け取ったペンギンが
その中身をチェックしている。
クルーの大半は島に降り、整備を終えたバンがシャワーに消えた甲板にはペンギンしか姿がなく、戻ってくる買い出し班に
追加を頼むかこの後島に降りるバンに整備に必要な物の買い出しを任せるかと思案していたので気付くのが遅れた。

フッと陰った視界へ 見慣れた姿が映る。
「え、船長?」
能力を使って港から一瞬で甲板に現れたのはこの船のリーダーだ。
一体何をそんなに急いでいるのかと尋ねる前にローの抱えた塊が目に入った。
両腕が抱えるコートにくるまれた塊は丁度ひと一人分の大きさだ。
手が空いてなかったので能力を使ったのだろう。
気付いたペンギンが駆け寄る前にローの足が医務室に向かう。
"来い"と呼ぶ声が聞こえなくても追いかけるつもりだったペンギンが追い付くと、船長がコートを中身ごと医務室の
ベッドに落としたところだった。

「シャチ!」

くるんでいたコートを剥ぐと中に居たのはペンギンの相棒だった。
乱れた衣服は半分以上剥がれていて、何があったのか浅い呼吸を繰り返す。時折不自然にひくりと身を震わせる彼は
じっとりと全身に汗を浮かべていた。

怪我だろうか、それとも何かの病に?
「船長!いったい・・・」
説明を求めようとしたペンギンに答える前にローの手が身を縮めて丸くなるシャチの背を撫でた。
「ん!ぁ、」
びくっ、と跳ねた背をしならせ苦しそうにシャチが息を吐く。
小さく震える肩を諫めるように撫でたローの手がシャチを仰向けに寝かせ、そのまま下へと滑っていく。
「ふぁっ、あ、ヤっ、せんちょ、ぁあ!」
性器を握り込まれたシャチが軽く扱かれただけで艶かしい声を上げる。
嬌声にしか聞こえないそれはイヤだと言いつつも快楽に抗えずに甘さを含んだものに変わっていく。
「っ、イ、・・・!」
既に船に戻った時点で張りつめていたらしい努張があっけなく果てる。
「っふ、ぅう、ぁ・・・」
なのに、脱力したシャチが息を整える間もなくまたそれが硬さを取り戻していく。
「あ。・・・薬?」
見ていたペンギンにもそれが分かった。
これほど回復が早いのは媚薬か回春薬かは知らないが何かの薬を盛られているのだろう。
はぁはぁと呼吸を乱すシャチはローの手が煽るままに何度もその精を噴き上げる。
「も、やだ・・・っ」
イキたくないと首を振って苦しそうに訴えるシャチの目には涙が浮かんでいる。
「放っておいても効果は抜けねぇんだぞ」
「けどっ、あ!ッあ、ぁ」
立て続けに昇り詰めるシャチは既にぐったりと乱れたシーツに沈んでいる。
これでは体力が保たないのではないかとペンギンが口を挟む前に チ、と舌打ちしたローが半裸のシャチの体に
残っていた布を取り去った。

「しょうがねぇ。こっち使うか」
「?!」

言った船長が汗やら体液やらでぐっしょりと濡れたシャチの脚を大きく開かせる。
ローの台詞の意味を理解したシャチが恐怖に引き攣った声を上げた。
「や、やだっ、せんちょ、嫌、それ駄目っ!」
碌に力の入らない手足で必死に蜿き、ローの下から抜け出そうとするシャチは本気で嫌がっているようだった。
「しょうがねぇだろ、前だけじゃ効果が抜ける前にてめえの体力が尽きちまう」
「やだぁあ!ペンギンっ!ペンギンっ!!!」
必死の声で助けを求められ、ペンギンも慌てて2人の間に割って入った。

「待って下さい、こんなに嫌がってるのに」
「じゃあ、おまえがやってやれ」
「は?!」

一瞬 室内の空気が止まる。
いや、止まったのはペンギンの思考だけかもしれない。
命令したローはペンギンの答えを待っている。
シャチも、苦しそうな呼吸の下で涙の滲む目をペンギンに向けていた。
「え、何・・・?」
「御指名だろ、おまえがいいとさ」
なんだって?!と、ベッドの中を見下ろせば 自分を見上げているシャチは船長の言葉を否定しない。
つまり、自分に彼を抱けということなのか。

「まさか!俺とシャチはそんな関係じゃないんですよ?!」
泡を食って否定するペンギンにそんなの知るかとローはあっさり切って捨てた。
嫌がる本人がおまえならと指名しているんだ、そんなこと関係あるかと言われても、先日自分はシャチの告白を
断ったばかりなのに。
できっこないでしょうと首を振るペンギンを前に、やれやれとローが溜息を吐いた。
「この島は有名な媚薬の原料になる花の特産地だ」
突然の説明に動揺するペンギンは付いていけなくて、目を瞬かせた。
苦しげに浅い呼吸を繰り返すシャチの蜜に濡れそぼる性器に指を絡め、あやすように刺激を送りながらローが顔を顰める。
「この馬鹿は、その原種の密生する穴に落ちやがった」
落ちたシャチの体に踏まれて潰された花からは濃密なエキスを含んだ空気が辺りに広がっていた。
頭を打ち、意識のなかったシャチはそれらをすべて呼吸と共に体内に取り込み、ローが見つけた時には体内に
籠もる熱に苦しみ体を覆う服を掻きむしって痙攣を繰り返していたという。
「発見が遅けりゃ狂っちまってたかもな。とにかく、今は少しでも取り込んだ成分を吐き出させないと・・・」
つぅ・・・っとしなやかな筋肉に覆われたシャチの内腿をローの手がなぞる。
媚薬の効果の発揮する体は鋭敏に反応し、それだけでまたシャチの雄がひくりと大きさを増す。
「ぁ、はぁ、・・・っ、ヤ、だ」
そうするしかないというのにシャチはまだ抵抗していた。
譫言のように嫌だと繰り返すクルーの髪を優しいまでの手つきで撫でたローが言って聞かせる。
「分かってる。だが、ペンギンは断った。安心しろ、俺じゃねぇ。こいつを使う」
玩具で悪いが生身の男にヤられるよりいいだろうとどこからか持ち出したディルドをシャチに見せ、妥協しろと迫る船長は
不運に見舞われ、更には相棒にも見放された彼に同情しているのか酷く優しい声音だった。
ぅう、と涙の浮かぶ目でそれを見つめるシャチがおとなしくなる。
気持ちの折り合いはつかなくとも妥協するしかないと諦めたのだろう。
抵抗の止んだクルーの頭をもう一度撫で、無粋な玩具を突っ込むべく ローが準備に取りかかった。




せめて傷を作らないようにとたっぷりのローションが塗り込められる。
その作業だけでシャチは声を上げて仰け反り身を捩った。
あまりにも過敏になった身体を弄られるのが怖いのかシーツの上を擦り上がって逃げるシャチの足をローが持ち上げ肩に担ぐ。
その大胆な姿勢に拒否の声を上げたシャチも、ローの指が動きを再開するとそれどころではなくなったらしい。
キリキリと歯を食い縛り声を殺そうとしては失敗している。
ディルドを押し込めるだけの柔らかさを作ろうと硬く閉じる入り口を解していく指に感じてしまうのだ。
「薬効が強いからじきに蕩ける。少し我慢しろ」
「っふ、うぅ、・・・っ」
両腕をさまよわせるシャチの手がシーツを掴んで引っ張った。
喘ぎともとれる苦しげな呼吸を和らげてやりたくて、ペンギンが思わずその手を握る。
目なんて焦点も合わないほど快楽に蕩けきっているくせに、シャチはそれがペンギンだと気付いた。
きゅっ、と力の入らない手がペンギンの手を握り返す。
ペンギンがシャチに何か声を掛けようとした刹那、「入れるぞ」という宣言が響いた。
すっかり柔らかくなってひくつくそこへ、船長がディルドを押し当てる。
ふぁっ、という甘さを含んだ声を零したくせに、ペンギンの手を握るシャチの手に力が籠もった。
「ぺんぎん・・・っ」
縋るように手を握ったシャチがおぼつかない声で自分の名を呼ぶ。
――俺と、シャチとはそんな関係じゃない、はずだ。
あの告白だってあっさりしたもので、ペンギンに振られてからもシャチの態度は変わらなかった。
なんだ、やっぱり本気にしなくてよかったと安堵の息を吐いたのはその後の事で、あれはシャチの冗談のはず・・・だったのに。

「ペンギン、てめえ・・・」

我に返ったペンギンは船長を押し退けて場所を奪った自分に気が付いた。
眼下には手を握ったままのシャチがいて、すっかり出来上がった肢体が惜しげもなく目の前に晒されている。

「そんな関係じゃないはず――だけど。こんな玩具に奪われるくらいなら俺が」

言うと同時にたどたどしく自分を呼ぶ唇に口付けた。
初めて味わう相棒の唇は甘く柔らかにペンギンの舌を迎えている。
その幸福感に、あの時自分が断ったのはシャチの言った言葉よりももっと強く想っていたからだと自覚した。
軽い気持ちなんかじゃなくて、本気で彼を好きだったから。

だが こんな状況で必死で自分を呼ぶシャチを見てペンギンも気が付いていた。
気持ちが通じなかった時にペンギンが断りやすいように。
その後もこれまでどおりに接する事ができるように、彼がわざと軽い調子で告白したのだということに。
――本当は、こんなにもペンギンの事だけを想っていたのだと。

「指名、受けますよ」
背後で呆れている船長にそう告げる。
遅ぇんだよ、てめえは。あやうく大事なクルーのバージンをつまんねぇ玩具にやっちまうとこだと文句を言って、それでも
外へ消えて2人きりにしてくれた船長に感謝する。
散々シャチを触って彼の痴態を見られた事は悔しいのだけど。
「間に合って良かった。シャチ、俺も おまえが好きだ」
聞こえていないかもしれないから明日 彼が正気に戻った時にもう一度告げようと決意して、ひくひくと戦慄いて
自分を迎え入れるのを待つ彼の其処へ、自分の分身を埋め込んだ。







 本音と媚薬




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