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SS置場10
ついてない日(中編)
クーラーで死んでました。15度設定て!死ぬ!書く元気とてもなくて中編。校正もしてない…








(仕事・・・というか、ここはどこだ?)
体の動くままにシャチを置いて出たペンギンは別の部屋で仕事に従事していた。
ある人物のスケジュール管理をし、取引先の情報を集め また新たな調べものをする。
本来ペンギンのしている仕事と似た業務は難なくこなせてはいるが どうして自分がこんな場所で働いているのか。
室内を見回してみれば、ざわざわと働いている人間の顔には見覚えがない。
(シャチだけ・・・か?)
狐につままれたような気分ではあったが行動の自由はないものの、実際にペンギンが体験した感覚からすると夢の中でも
ないようなのだ。
緊急避難と状況把握の為 体の命ずるままに仕事に向かったのだが、いつまでもここで働いていても仕方ない。
打開策を探るにも周りで立ち働いている人間はペンギンの事を気にも留めない様子で、話し掛けてみても反応がなかった。
会話がないわけではない。だが、必要以上の話が続かないのだ。
(これじゃ、いくらここで働いていても何も情報は得られないな)
肉体の動きに逆らえなかったとはいえ、シャチの傍を離れるべきではなかったかもしれない。
(そういえばシャチはどうした?)
ペンギンの思考が残してきた仲間に及んだタイミングで入口の扉が開いた。
「あ、社長!おはようございます」
入ってきた人物に室内の社員が次々と挨拶をしている。
"社長? なんの冗談だソレは"
なんのことはない。シャチじゃないか。
あれのどこが社長だ、とペンギンが考えた刹那、まるでその思考が聞こえたかのようにペンギンを見てシャチがニカリと笑った。

「・・・っ!!」
喉から飛び出しそうになった声を辛うじて飲み込む。
思い切り眉間に皺を作ったペンギンが咄嗟にシャチの顔を睨み付ける。
シャチ自身、何の事だか分かっているのだろう。
一瞬 すまなさそうな顔を作ったシャチが、瞬きの間に表情を掻き消し、澄ました顔に変わる。
(この・・・っ、こっちの状況も少しは考慮しやがれッ)
人目がなければそのまま机に突っ伏してしまいそうだった。
なんとかしろと目で訴えてみるが 逆にシャチは意味深な笑みを浮かべて近付いてくる。
「スケジュールの確認をしてほしいんだけど」
素知らぬ顔でそう言って、シャチは手の中にある小さな塊を操作した。
「っ・・・は、い」
辛うじて返事の声が出る。
これはもう確定だ。
ペンギンの体内にある玩具を操っているのは誰かに操られているシャチ(ややこしい!)で、側に来るなり振動を強めたのは
こんな場所で嬲って愉しむ算段なのだ。
"せめてこんな人の多い場所は抜け出したい"
そう思うのに、やっぱりペンギンの足は思い通りには動いてくれなかった。
(・・・ッは、)
ああ、もう。 何のプレイだコレ。
シャチとヤるしかないのならもう譲歩してもいいからこんな変態プレイは御免だ。
――と思ったところでソレを誰に伝えれば良いのか。
暴れる玩具に震える指で ペンギンの体は"社長"の依頼に応えてスケジュールらしきものを呼び出していた。
「この予定は変更して・・・」
と話しながらシャチがキーボードに手を伸ばす。
カタカタと入力された文字を目で追って、ペンギンは思い切り渋面を作った。

"ペンギンが耐えられなくなったら その時点で始める"

あまりの内容に絶句したペンギンが反応できないでいるのを良い事に、"此処で" の一言が わざわざ追加された。
こんな状況で "我慢大会無制限一本勝負"とは、一体全体どんな罠に陥ったのだ、自分は。
「ついでに、今後のスケジュールについて少し話を詰めようか」
そう言って、ペンギンの隣に立ったシャチが手近な椅子を引き寄せ腰掛けたのが、勝負開始のゴングだった



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