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SS置場10
拍手ログ 拒絶 L
拍手ログです。診断ったーでロシャチ。現拍手はシャチペン(のつもりですがはっきり分かる描写はないので
ペンシャチで読んでもらっても大丈夫です)










「嫌なら拒め。俺は最初にそう言ったぞ」
不機嫌そうに言い放つ男を見上げながら、確かに自分はそう聞いた、と頭の中で男の意見を肯定する。
こいつもこいつだ。
普段から反りが合わない自分達なのだ。 どうして 拒まれないと考えられる。
(馬鹿じゃねぇの。俺等 男同士だぜ?誰が好きこのんで大人しく押し倒されるかっつーの)
愚問だろ、とシャチはその唇に皮肉の笑みを浮かべようとして失敗した。
何故って、今 現在、自らの考えに反して抵抗らしい抵抗が出来ずにいるからだ。

別に力ずくで押さえ込まれているわけじゃない。
シャチの手首を床に押しつけるローの手は、シャチがその気になれば簡単に振り払えるはずだ。

そもそも どうしてローは同じ男であるシャチを押し倒そうと考えたのか。
屈服させて、自分の力を誇示するため?
まさか!
いくら合わないとはいえ、そこまでの険悪な間柄じゃない。
それに、確かに男にヤられたとくればシャチのダメージは精神的にも肉体的にも大きいだろう。
(けど、それって諸刃の剣じゃねぇ?)
よく考えてみろよ。男に突っ込むんだぞ、しかも男のケツに!
おまえなんて 女に人気あるじゃん。相手なんか選り取り見取りだろ。何が悲しくて男相手に!
"考え直すなら今だろう、落ち着けよ"と頭に浮かんだ説得は 残念ながら声になる前に霧散した。

目の前のローの顔は真剣だ。
ふざけているでもなく、頭に血が上って血迷っているようでもない。

なんで、女口説いてるわけでもないのにマジなんだ。
(いや、マジって・・・俺相手に?)
文句なり説得なりの言葉を言うはずだったシャチの口が、ただ意味もなく開いたまま 声を出せずに固まる。
得意の舌技も喉に張り付いて回らない舌ではふるいようがない。

――だって、ありえねぇ・・・だろ?

気にくわない同士のはずの、しかも 男を押し倒したローが 至って真剣にシャチを抱こうとしている事も、

組み敷かれたシャチが 録に抵抗も出来ずに床に転がっている事も。

(あの目が、悪い)

まるで 心底欲した相手を追い掛けているような、どこか必死さを感じさせる目が シャチの抵抗を封じる。

(バカだろ。男なんかに、必死になって)

そう考えながら 声にも態度にも出せずに受け止めている自分は、もっと馬鹿だ。

「のんびり呆けてんじゃねぇ。俺はそう気の長いほうじゃねーんだ」
それとも怯えてんのかと斜に構えて笑う相手は、逆らわないシャチをどう考えたのか、これ以上は待たないと
最終通告を告げている。
口は悪いが逃げる猶予はもうないぞと忠告しているのだ、存外 こいつも人が良い。

「誰が怖がってんだ、コラ。そっちこそ、怖じ気づいてんじゃねーよ」
組み敷いただけで終わりかよと吹っ掛けるシャチの言葉を聞いて、どこか遠慮の色を見せていたローは、
唇を引き上げてニヤリと笑った。
(・・・悪人顔だよなぁ)
幼い子供が見ればまず間違いなく泣き出すであろう笑みは 残念ながら惚れ惚れするほど奴には似合っていた。

「・・・手加減できねぇが。後で泣き言いっても知らねぇぞ」
「うるせぇ、ご託並べてないでさっさと来やがれ」
正直これからする事を思えばうすら寒い気もするが、ローと寝るのはどんな気分かと今のシャチには興味の方が勝った。

「いい度胸だ。・・・出来るだけ、無茶は避ける」
約束はできねぇけどなと正直に白状する言葉に笑って、目の前に揺れる顔を引き寄せ 自分から唇を重ねた






 衝突は関心の裏返し






診断ったー。 【ロシャチのBL言葉は『なぜか拒絶できない』。】 でした


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あきゅろす。
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