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SS置場8
名前のない関係 E
某方のドレペンを見ていて、同じ敵船でも書く人間が違うとこういうのになるんだなーと思った結果、
自分流の敵船間の関係をキドシャチにしてみました。キラペンとキドシャチじゃ全然違いますよねー
熱下がってないから休みたかったなーと思いながら出社したら風邪を伝染した人が先に休んでいたー
やられたーw あ、前回更新はjunkでした。キッド続きだなぁ。ペン受け一覧にペンバージョンあります。









「・・・中に、出すぞ」
「っ、ぁ、ばか、中は、やめろ」
後で面倒臭ぇんだと文句をぶつける
「チッ・・・」
こちらの言うことなんか聞く気もねぇのかと思えば 相手は素直に舌打ち一つで手を打った。
・・・しょうがねぇだろ。ここはホテルの一室というわけじゃねぇ。
シャワーを浴びる施設もないわけじゃないが、少なくともシャチには自由に湯浴みする権利はなかった。

熱心に自分の中を抉っていた相手が、直前で勢いよく引き抜く。
上出来、だろ。
夢中で身体を貪っていたにしては咄嗟にシャチの要求を思い出せたのだから 腹の上に盛大にぶちまけたのは勘弁してやる。
どうせ、自分の出したもので汚れているのだ。
今更相手の分が追加されたところで変わりゃしねぇ。

どさ、と終わった相手がシャチの上に倒れ込む。
・・・馬鹿だろ、こいつ。
汚れてなかった自分の腹にまでザーメン付けやがった。
(まぁ、自分は好きなだけシャワーでもなんでも浴びれるんだから、気にしてねぇか)
シャチにその自由がないのはここが敵船の一室で、捕虜として捕まっている最中だからだ。
部屋を出て歩き回れない代わりに、一戦終えた後は敵船のリーダー様に湯を汲みに走らせ、丁寧に身を清めさせている。
捕虜とは思えない扱いに少しばかり溜飲が下がるものの、下手をすれば第二ラウンドが始まるのだから良いことずくめとも
言い切れなかったが。
(まぁ、うちの船から迎えが来るまで、暇だかんな)
退屈しのぎにつきあってやっている。
勿論、最初からこうだったわけじゃない。
そもそもシャチには男に抱かれる性癖はなかったし、相手もそのつもりで捕らえた訳じゃなかっただろう。
ただ、シャチには自分のミスで相手方に囚われた苛立ちがあったし、キッドはキッドで生意気な捕虜に腹を立てていた。
むやみに相手を煽って怒らせたのは、いっそ殴られでもしなきゃ捕まっちまった体たらくが情けなかったからで、
まさかそれで相手がレイプに及ぶとは思わなかったのだ。
(こいつも、怒りに任せてヤっちまった後はえれぇ動揺してたしな)
激化した口論のあげく、挑発に乗って拘束され抵抗も禄に出来ない相手を抱いたのだ。
尋問するつもりだったにしてはお粗末な結果に頭を抱える相手を馬鹿だなぁと笑う余裕くらいはシャチにはあった。
一度きりだと思ったそれが、次の日にも繰り返されたのには驚いたけど。

無理矢理及んだ行為はシャチの身体に傷を残した。
勿論、手当なんか要らねぇと断ったのだが、相手は聞きやしねぇ。
傷薬だと言って シャチの秘部に膏薬を塗り付けていた手がいやらしい動きに変わったかと思ったら次には押し倒されていた。
(最初から、それが目的だったんじゃねぇの)
違うと分かっていて口に出した。
薬を塗り付けるうちに相手が興奮しているのには気が付いていた。
だって、しょうがねぇだろ。そんなとこ しつこく弄られて無反応でいるのは難しいって。
びくりと跳ねたシャチに驚いた顔のキッドが、すまねぇ、なるべく痛まないようにするからと謝りながら薬を追加する。
その時点では下心はないように見えたのに、傷口に触れる度にひくつくのを見て何やら妙な気分になったらしい。

そうして二度目を経験してしまったことで弾みがついたのだろうか。
次の日も薬を塗ってやると言い出した時には キッドははっきりと情欲の滲んだ顔をしていた。
もう、薬はただの言い訳で 最初からシャチを犯すつもりで来たのだ。
三度目ともなればシャチの方でも もういいか、二度も三度も変わりゃしねぇという諦めのようなものが生じていて、
それからだ。
キッドがこの部屋に来るとシャチに手を伸ばすようになったのは。

すっかり馴染んだ身体の相性は意外なことに悪くない。
互いに情が沸かなくもない状況での情交は、捕虜の身であるシャチにはただの暇潰しで、キッドには航海の途中でたまたま
手に入った玩具で遊んでいるようなもの。
ローが来れば終わる関係だと承知しつつ、
心を預けきらないように 表面的な言葉しか交わせない閨房での距離感を維持しつつ。

終わりを知っているから 深入りしようがない。
一定の距離以上には近付けないようにしながらの身体を繋ぐ行為。

自分達には それが似合いだ

それ以外の関係など 思い浮かべることすらせずに頭から否定する。

「この勢いだと距離も時間も無視して明日にはここに着くかもな」
「願ってもない。アンタの顔も見納めだと思うとせいせいするぜ」

どこか上滑りする用意された台詞をなぞっているだけのような空虚な会話を敢えて口にする

そうすれば この不毛な関係は綺麗に終わる事が出来ると 申し合わせたように互いに了解していた。


「キッド。そろそろ 船影が見えるぞ」
ノックの音と同時に聞こえた彼の腹心の声が終わりの合図になる。
発展のしようのない関係なら 始める前に終わらせるのが唯一の選択肢だろう

「おまえ、このまま…」
先を続けるか迷いながらの言葉は最後まで続かないまま半端に消える。
ここでこんな事を言いかけるのは 彼の年齢故の甘さだろう。
・・・間違っても うちの船長にはないモノだ。
シャチが観察する目で眺めたのは そうしなければ彼の若さに引き摺られてしまうかもしれないと危惧したからだ。

「のんびり構えてていいのかよ。うちの船長はクルーを猫可愛がりしてんだ。報復は容赦ねぇぜ。油断してっと船くらい沈めちまうかもな」
馬鹿にしたような声を完璧に装ったはずだ。
なのに キッドはシャチから心配の言葉を掛けられでもしたような顔をする

「なぁ、」
「離れろ。人が来る」

続きを言わせずピシャリと遮った。
会話の最中でも シャチの耳には聞き慣れた足音が届いていたから。

ブゥン・・・と、部屋に響く音も馴染んだものだ。次の瞬間には自分はこの場所から居なくなる。
だから 敢えて別れの言葉は言わないようにした。

何を言ってもキッドの心に自分の存在を残してしまいそうだったから。

(何も残さず突然消えるのが年長者の俺がしてやれる唯一の気遣いだろ)

ふ…、と口元にシャチらしからぬ影を含んだ笑いを浮かべた瞬間、
" シャンブルズ" というローの声が外から響いた













 名前のない関係

捕虜と敵方としての距離









後半は熱にうかされてる最中に携帯をぽちったものです。前半は翌日頭痛にうなされながら書き足しました。
もともと「こんな話書くぞ」ってメモがいつの間にかSSSになってたのが後半で、だから最初の方の文が本当に
メモだったのを翌日文字にしたんですね。でもなんか書き足りない気がする。会話をもう少しさせたかったかも…
これ、ローの技少し迷いました。アニワンで使ってたからシャンブってもいいんだけど、広い意味じゃスキャン
(部屋の中からシャチを探して取ってくる)でもいいし…応用きくみたいだし技名なしでもよさそうですけどね。
この場合はローの声が欲しかったの^^ あと、ローの年齢から、もしかしたらシャチもキッドより上かなとか…


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あきゅろす。
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