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SS置場1
拍手ログSSS カルネアデス

前回の拍手ではあまりに短いので短編を2つ掲載していました。残りの一つがこちらです。
サイト『海風 きまかせ 舵まかせ』さまのシリーズ。それを拙宅キャラが話すとどうなるかな?
というのを妄想してみました。と言ってもかなり昔に書いたものなので今書くと違う展開に
なるかもです






「そうだなー、ペンギンだったら間違いなく船長に譲るだろうなー」 
人のまばらなラウンジで、休むにはまだ早いと酒を嗜むうちに たまたま同席していたキャスケットの口から
先日 船内でちょっと流行った質問が話題に上った
「それじゃ、船長だったら?」
自分の事を分析されるよりも、彼が他の人間をどう捉えているかを知りたくて 真っ先に船長の名前を挙げる
「当然、あり得ない解答だとしても自分もペンギンも助ける、だろうね」
「違いない。・・・・じゃぁ、お前だったら?」
用意された選択肢には、両方とも救う、というものは無かった
だが、うちの我が儘な船長なら、迷いもなく "どちらも" と答えるだろう
ならば 今、隣でグラスを傾ける 陽気なこの船員は? どちらを選ぶ?

答えにくい質問だと知っていながら敢えて彼に振る
振られたキャスケットは、酒が回っているのかいないのか、いつもと変わらぬ朗らかな顔をペンギンに向けた
「俺? 俺も "ふたりとも助かる"、かな?だって、ホラ、船長と俺が流されてて、で、2人でひとつの板にしがみついてたら、
絶対お前が助けに来るじゃん」

彼の確信めいた断言に、一瞬言葉に詰まる
「・・・それじゃ、答えにならないんだが」

得意げに笑うキャスケットに向かって呆れたように零しながら、
(指摘したら怒るのだろうが)でも、一緒にしがみついていても結局は こいつも船長に譲るんだろうな、と思う。
海水に弱い船長に先に限界が訪れる。
きっと、キャスケットは "ペンギンが来たから" とか何とか言いながら 笑ってその手を離すに違いない。
自分との違いはそこか。自分なら、力づくで船長を板に押しつける。
こいつは、気づかれないように細心の注意を払って助かる機会を譲る。
どっちが正解か、なんて事は問わない。仮に、そんな事態になってしまったら自分が両方を助ける。
キャスケットの嘘を、嘘にしない為にも。

「どうかした?」
考え込んだ自分を気遣うように覗き込む相手に、なんでもない、と言ってぐしゃぐしゃと その髪を掻き混ぜた。 
なにすんだよ!という文句は聞き流す。
2人分の面倒を見る事に決めたんだ。これくらいの報酬は得ても構わないだろう。
ペンギンは、そのまま頭を引き寄せて、そっと髪に小さく口付けた―――  
   




 カ ル ネ ア デ ス の 夜




・・・と、人様の褌をお借りして相撲を取ってみました←← 2本合わせてもかなり短いですね。カルネアデスについては
解説なしです。おぅ、なんて不親切!や、ちょっと検索すればすぐ見付かるから!有名な、意地の悪い質問です。でもこれ
カルネアデスを知らずに読んだら何が何やら分からないね、きっと。え、やっぱ解説いれるべき?「カルネアデスの板」
船が難破して海に投げ出された中、一枚の板が浮いています。つかまっても浮く事ができるのは一人。海には貴方と船長が
居ます。あなたはどの行動を選択しますか。1.自分が板にしがみつく 2.船長に板を譲る 尚、他の選択肢はありません

アベベ様宅、カテゴリ:「連載シリーズ」 日付で調べるなら去年の7月あたりのログにあります。これは各お宅のキャラで
やってもらうと性格がでますよね、そこのキャラの! 我はと思う方は自キャラで試してみて下さい。結構楽しいですよv


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