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戦国BASARA
【市+政】お友達は色違い
(戦国)

「独眼竜、・・・・・・好き」

「Ha!ありがとな、でもアンタには旦那がいるだろ?」

側室にでもしてくれんのか、とクツクツ笑う独眼竜。
独眼竜は可愛い、・・・やっぱり可愛い。
市は長政様のお嫁さん、でも市にはお嫁さんはいない・・・・・・。
だから、独眼竜には、市のお嫁さんになってほしかったのに。
本気にしてくれない、独眼竜が遠い。
市と独眼竜はこんなに似ているのに、まだあんなに遠い。
これも全部市のせい、なの・・・?

「・・・、夫婦にはなれねェけど」

独眼竜の言葉が、ゆっくりと市の胸に染みわたってくる。
困ったような、ちょっと赤いお顔が可愛い。
真白の肌に朱が映えて、嗚呼これが戦が彼を呼ぶ理由なの・・・?
独眼竜の言葉は、市を優しく包んでくれるから、好き。
どんな時でも、市を想ってくれるから好き。
・・・市はひどい。独眼竜が困るのは、全部全部市のせい。

「・・・市となら、一生友達でいたいって思うぜ」

それじゃダメか?・・・首を傾げる独眼竜、好き。
市の胸に、ほぅと温かい気持ちが込み上げてくる。
お友達、・・・独眼竜と市は根色闇のお友達・・・・・・。
それ以上にはきっと、もうなれないのね・・・分かっていたの。
市と貴方は、生まれたときから同じ黒を背負っていたのに・・・。
もう、こんなに、手が届かないくらい高くなってしまった。
そっと、独眼竜の手をとってみる。
思ったとおり、青色はなんて温かいのかしら・・・。
隻眼を見開いた独眼竜に、そのまま自然に口づけてみる。

「・・・・・・市、お友達のことが好きよ」

「っ、お前、・・・ほんとcuteなことするよなぁ?」

甘い味のしたお友達は、優しく市の頭を撫でてくれた。
長政様にしたらきっと怒られる、お顔真っ赤にして怒るのに・・・独眼竜は怒らない。
ただただ困ってように笑っては、こんな市に優しくしてくれる。
だから長政様が嫌いとか、独眼竜が好きとかじゃない。
長政様の白は、眩しくて熱くて、市を幸せにしてくれるから好き・・・。
独眼竜の黒もとい青は、温かくて静かで、市は落ち着くから好き・・・・・・。

「市、・・・って呼んでたら、アンタの旦那怒っかなぁ?」

ニコニコと、まるで子供みたいに笑う独眼竜・・・好き。
長政様への好きとは少し違うけれど、好き・・・好きよ・・・。
好きが大きくなりすぎて、市もつられて笑んでしまった。
これは市のせいじゃなくて、・・・貴方のせい。
本当はいけないことなのに、独眼竜とのお話は楽しい。

「長政様、すぐ怒るよ・・・・・・」

だからきっと、・・・市がそう呟けば、独眼が綺麗に弧を描く。
何て可愛いのかしら・・・、美しく可憐な、市のお花・・・。
独眼竜の唇に、白く細く長い指が一本添えられた。
・・・市は、そのあとに続く言葉を聞いてもいいの?
許して、兄様・・・市は今から竜から幸せを受取ります。

「・・・それでも、俺はこれから市って呼ぶからな。You,see?」

・・・可愛い、可愛い、悲しい、可愛い・・・。
不敵に笑う独眼竜に、ふわりと笑みを浮かべてみせた。
市の精一杯の微笑みは、何故か涙まで零れちゃったけれど・・・。
慌てたように袖で涙を拭ってくれる独眼竜が好きだから、市は静かに静かに泣いたわ。
きっと長政様に怒られてしまう、これは市のせい・・・。
ねぇ、兄様・・・。
市も、嬉しいと泣けるのよ・・・市にも、優しいお友達ができたのよ・・・。
市、と呼んでくれる竜が、一人増えました。
市ばかり貴方を好きで寂しいと思っていたけれど、そうじゃなかったのね。

「・・・市が嬉しいのは、独眼竜のせい」

そう言えば、相も変わらず可愛い独眼竜が笑った。
嬉しそうに涙まで浮かべながら、大きく頷いて笑ってくれた。
嗚呼、・・・・・・市、今日まで生きてきてよかった。
長政様と兄様に謝りながら、もう少しだけ竜に甘えていたい・・・。
貴方の清らかな涙を拭けば、市の闇色まで薄らぐような心地がして。
市と独眼竜は、今、お友達として嬉しくなるのね。









お粗末様でした。

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