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戦国BASARA
【サナダテ】群青世界に焦がれて
(戦国)

「真田、好きだ・・・」

肩を小刻みに震わせながら、俯いてそう言った貴方も。

「派手なpatryにしようぜ、真田幸村ァァ!!」

隻眼を輝かせながら、戦場を自由に舞い踊る貴方も。

「幸村、kiss me please」

潤んだ瞳で息を乱しながら、俺を呼ぶ貴方も。
全てが色鮮やかで、苦しいまでに愛おしい。
政宗殿の笑顔も、涙も、傷ついた心も。
某が守りたい、救いたい、傍にいたい、傍にいさせてもらいたい。
夢現の中、そっと天上に向けて手を伸ばす午前4時。

「・・・政宗殿、会いとうございまする」

自然に溢れた声は、ひどくか細く震えていた。
親方様に対する感情とも、佐助に対する感情とも異なるこの想い。
政宗殿も、同じでおられるのだろうか。
そうであってほしいと、願う。
寝起き特有の気怠い体を叩き起こし、そっと襖越しの太陽を見つめる。

「・・・・・・貴殿は、今頃何をしておられるだろうか」

まだ寝ているか、それとも鍛錬に勤しんでおられるだろうか。
もしくは得意の炊事をして、皆を驚かせる魂胆やもしれぬ。
力ない笑みを浮かべていた、自らの頬を思いっきりひっぱたく。
バチリッ、と肉同士がぶつかり合う音に、今日を過ごす気力を自らに注ぎ込んだ。
その勢いで襖を開ければ、政宗殿を思わせる群青の空が広がっていて。
・・・・・・そう思いきや。

「っ、さ、真田・・・!Shit、びっくりさせやがって・・・!!」

「な、何とォォ!?政宗殿、一体どうしてここに・・・っ」

縁側に尻餅をついて、綺麗な隻眼を見開いている政宗殿。
何故ここに?いつからここに?いやいや、もしや夢か?
目の前にいる政宗殿にそっと手を差し伸べれば、屈託なく笑って某の腕を引かれた。
おぉわ、とか何とか間の抜けた声と共に、政宗殿の肢体の上に覆いかぶさる。
驚き視線を合わせれば、悪戯の成功した幼子のように笑う貴殿がいた。
ドキリ、と鼓動が強く脈を刻む。

「・・・朝食、できてるぞ?厨房、猿から借りたんだ」

「無論いただきましょうぞ!」

俺が微笑めば、可憐な花がほころぶかの如く清く笑む政宗殿。
用意された愛の前に、愛らしい貴殿に軽口づけてみようか。
ふわり、と香る政宗殿の匂いに、どうしようもないぐらい息苦しくなる。
・・・某、心の中では饒舌なのになぁ。

「真田、・・・」

自嘲じみた笑みを浮かべかけた己に、政宗殿がふっと懇願するような視線を送る。
・・・ああ、それならば、口下手な某でも出来まする。
未だ廊下に転がったままの政宗殿の唇に、自らのそれを軽く押しつける。
好きです、政宗様・・・言葉にし難いほど、たまらなくお慕い申しておりまする。
口にできない想いはこの唇から、直接貴殿へとお送りしましょう。
政宗殿の青だけが、俺を焦がしてくれるのですから・・・。
トクリ、密着して一つになった心音がどうしようもなく嬉しかった、群青の朝。







お粗末様でした。

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あきゅろす。
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