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戯言シリーズ・二次(中・長編)
2

2.




「ふん、匂宮から零崎に堕ちたただの殺戮道具が。大人しく殺されろ」
「ぎゃはははっ!ま、否定は出来ねぇな」

所属は変わっても、住む世界が変わるわけではない。
零崎になったのなら襲撃は減るはずだったかもしれない。
けれど。
匂宮から零崎、何て例外を、誰が無視するだろうか。
襲撃回数なんて、むしろ増えた。
増えて増えて増えて・・・そして。

「でもよぉ・・・忘れちゃいねぇか?」
「あ?」

物陰からすっ、と現れる。
音もなく、人の気配さえも無く。
現れたしは・・・鬼。

「全く、出織ちゃんがいくら可愛いからといってこう何度も男共が寄ってきてはお兄ちゃんとしては心配で心配でたまらないよ」
「最近こんなことが増えたっちゃね」
「・・・またかよ。って、ん?俺の日常って以前とあんまり変わってねぇんじゃね?」
「お前はこいつとどんな関係を築いていたんだっちゃ…」

襲撃回数と同じ回数だけ、零崎の呼吸回数も増えた。
以前の、何倍にかに、膨れ上がった。

「本っっ当、零崎ってあったかいよなぁ・・・血の温もりってーの?ぎゃはははっ!」
「ひっ、な、何で零崎が三人も・・・」
「「「三人じゃねぇなぁ・・・」」」



「「「「四人だ」」」」


辺りがそして、真っ赤に染まる。


・・・



「んー、久しぶりだったかもなー・・・すっきりした。仕事じゃないってのは気楽なもんだ」
「ちょっとちょっと、出織ちゃん。零崎要素より匂宮要素のほうが強くなってないかい?君はもう零崎なんだから」
「わりーわりー、双識さん。でもよぉ・・・」
「ん?」
「・・・・・・家族、っつーもんは、なかなか良いもんだな」
「分かってくれたかい、出織ちゃん!いやぁ、お兄ちゃんは感激だよ!」


「兄貴が変態じゃねぇ…」
「久しぶりにレンの変態じゃない面を見た気がするっちゃ…」







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あきゅろす。
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