小説 オフィスらぶ 幕間一 「俺たちの仕事は、キャッチコピーを作ることだ」 「キャッチコピー、ですか」 「あるだろ? 夏のビーチにはじけるパッション、みたいな」 「ふむ、なんだか難しそうですね」 「なに、難しく考えなくていい。気楽に行こう」 「そう言われても、どうやって作ればいいのか」 「最初は、パクリでいいんだよ。例えば、『東京タワー おかんとぼくと、時々マトン』、みたいな」 「羊肉の宣伝ですか」 「他には、『おかんとぼくと、時々カトゥーン』」 「絶対おかんの趣味ですよね」 「『おかんとぼくは、時々がつん』」 「たまには喧嘩も悪くない」 「と、まあ、そんな感じだ」 「なるほどなるほど。なんとなくわかりました。それじゃ、自分も一つ。『おかんとぼくは、時々がっぽん』」 「下ネタやめい」 [*前へ][次へ#] [戻る] |