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special短編



「え?」

「あげる。」

「え?これ誰かにあげるんじゃ…」

「これは高尾くんになのっ。」

今日誕生日でしょ?と言われて俺は放心状態になってしまった。




え。俺に?え? なんで?てか、誕生日……え?さっきからえ?しかでてこない。え?


そうするとさっきも今も顔が赤いのは……



俺は賭けにでた。











「有栖川ちゃん。」

「はい?」

「好き。」

「え…」

「俺は、有栖川ちゃんのこと好きなんだ。だからこのプレゼントめっちゃ嬉しい。」

「高尾く…」

そう言うと彼女は涙を流した。

「高尾く…」

「はい。」

「私も………私も高尾くんが…好き……!!」

彼女が言い終わると同時に俺は彼女を抱き締めた。


嬉しくてたまらなかった。

「夢みてぇ。」

「それはあたしのほうだよ。」

そういって俺らは見つめあって笑った。それは俺が見る2度目の彼女の笑顔。
あの時よりもさらに綺麗だった。




俺はおでこをくっつけて彼女に顔を近づけた。
彼女もそれに答えるように目を閉じて……




スパァーーンッ!!


「いってぇぇ!?」


その近づけた顔は重なることなく、俺は誰かに思いっきり叩かれた。


「誰だよ………………宮地センパイ…。」


ぐるりと振り返るとそこには血管が切れそうなほど額に青筋を入れた宮地センパイが立っていた。
手にはハリセン。それは今日の真ちゃんのラッキーアイテムだったものだ。



「てんめぇぇー……部活サボってなにやってんだ!轢くぞコラァ!!」

もう一発スパァンッといい音で叩かれて首根っこ捕まれて俺は引きずられるようにつれてかれた。


「いいとこだったのに!」
そう叫ぶともう離れてしまった彼女が微笑みながら口をぱくぱくさせていた。

『待っ・て・る・か・ら』

と言って教室を指差した。


それは一緒に帰るということを意味するのに気づくのにそう時間はかからなかった。



「〜〜〜!凛花大好きだぁ!」

そう叫ぶと有栖川ちゃんの顔が真っ赤になるのが見えて頬が思いっきり緩んだ。











今までで最高の誕生日。


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